12条点検の外壁全面調査が必要となる建築物や仕上材、調査方法を解説

12条点検の外壁全面調査が必要となる建築物や仕上材、調査方法を解説 外壁のタイルやモルタルが落下するというニュースを聞いたことはありませんか?このような事故は、歩行者や住民に重大な危険をもたらすだけでなく、建築物の所有者にも法的な責任が発生します。そこで、建築物の安全性を確保するために、国土交通省が定めた「12条点検(定期報告制度)」に基づく外壁全面調査の必要性と方法について解説します。 12条点検(定期報告制度)の外壁タイル等調査の必要性とは 12条点検とは、建築基準法第12条に基づき、特定建築物の所有者が、定期的に建築物の構造や設備について調査・報告することを義務付けられた制度です。この制度は、建築物の老朽化や劣化による事故を防止するために、2003年に施行されました。 12条点検の中でも、外壁タイル等の落下防止対策に関する調査は、特に重要なものです。なぜなら、外壁タイル等の落下は、近年、多発している建築物の事故の一つであり、死亡事故も発生しているからです。また、外壁タイル等の落下は、火災保険の適用外となる場合が多く、被害者や所有者にとって大きな負担となります。 そこで、国土交通省は、2010年に「既存建築物における外壁タイル等落下防止対策について」という指導文書を発表し、外壁タイル等の落下防止対策の基準や方法を示しました。この指導文書に従って、外壁タイル等の落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分について、全面打診調査を実施することが求められています。 指導文書「既存建築物における外壁タイル等落下防止対策について」 この指導文書は、外壁タイル等の落下防止対策に関する以下の3点を明確にしています。 - 落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分の判断基準 - 全面打診調査の実施時期 - 全面打診調査の実施方法 これらの内容について、次の項目で詳しく見ていきましょう。 「落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分」とはどこか? 指導文書では、外壁タイル等の落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分とは、以下のように定義されています。 - 一般的な公道、私道、広場を有する壁面 - 庇があるなど落下物が歩行者に当たらない箇所を除く - 調査範囲内に植え込みがあるなど落下物が歩行者に当たらない箇所を除く つまり、歩行者が通行する可能性のある場所に面した壁面の外壁タイル等は、落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分として、全面打診調査の対象となります。 外壁全面調査が必要となる建築物 指導文書では、外壁全面調査が必要となる建築物として、以下の4つの条件のいずれかに該当するものが挙げられています。 - 特定建築物定期調査の部分打診、目視等により異常が認められたもの - 竣工後10年を越えるもの - 外壁改修後10年を越えるもの - 全面打診等を実施した後10年を越えるもの 特定建築物とは、建築基準法第2条第1項第1号に規定される建築物であり、以下のようなものが含まれます。 - 高さが13m以上のもの - 延べ面積が500m2以上のもの - 用途が集会、医療、教育、福祉、宿泊、商業、事務、工場、倉庫のいずれかであるもの - 用途が駐車場であり、高さが6m以上のもの これらの建築物の所有者は、12条点検の一環として、外壁タイル等の落下防止対策について、全面打診調査を実施する必要があります。 外壁全面調査が必要となる外壁の仕上材 指導文書では、外壁全面調査が必要となる外壁の仕上材として、以下の3つのものが挙げられています。 - タイル - 石貼り(乾式工法によるものを除く。) - モルタル これらの仕上材は、経年劣化や熱膨張により、剥離やひび割れが発生しやすいものです。そのため、定期的に全面打診調査を行うことで、外壁の状態を把握し、必要な補修や交換を行うことが重要です。 全面打診調査の調査方法 打診調査とは、外壁タイル等にハンマーなどで打ち付けることで、音や反響により剥離やひび割れの有無を判断する方法です。打診調査は、外壁タイル等の全面に対して行われます。打診調査の結果は、打診音の違いや反響の有無により、以下のように分類されます。 - 正常:打診音が高く、反響がある - 疑問:打診音が低く、反響がない - 異常:打診音が変化し、反響がない 打診調査により、疑問や異常と判断された部分は、剥離やひび割れの可能性が高いため、補修や交換の対象となります。 赤外線調査とは、外壁タイル等に赤外線カメラを用いて撮影することで、温度差により剥離やひび割れの有無を判断する方法です。赤外線調査は、外壁タイル等の一部に対して行われます。赤外線調査の結果は、温度差の大きさや分布により、以下のように分類されます。 - 正常:温度差が小さく、均一に分布する - 疑問:温度差が大きく、不均一に分布する - 異常:温度差が極端に大きく、局所的に分布する 赤外線調査により、疑問や異常と判断された部分は、剥離やひび割れの可能性が高いため、打診調査の対象となります。 12条点検を怠るとどうなる? 12条点検は、建築物の所有者にとって、法的な義務であり、安全な管理の責任でもあります。12条点検を怠ると、以下のようなリスクが発生します。 - 100万円以下の罰金 - 外壁の落下により思わぬ事故が発生した場合、社会的な責任が問われる 12条点検を怠ると、建築基準法第109条により、100万円以下の罰金が科せられる可能性があります。また、外壁の落下により歩行者や住民に危害を及ぼした場合、民事訴訟や刑事告訴の対象となる可能性もあります。このような事態を防ぐためには、12条点検を適切に実施し、外壁タイル等の落下防止対策を行うことが必要です。 まとめ この記事では、12条点検の外壁全面調査が必要となる建築物や仕上材、調査方法について解説しました。外壁タイル等の落下は、歩行者や住民に重大な危険をもたらすだけでなく、建築物の所有者にも法的な責任が発生します。そこで、12条点検に基づく外壁全面調査を実施し、外壁タイル等の落下防止対策を行うことが重要です。外壁全面調査は、打診調査や赤外線調査などの方法で行われます。外壁全面調査の結果により、外壁タイル等の補修や交換の必要性が判断されます。 外壁全面調査は、建築物の安全性を確保するために、定期的に行うべきものです。外壁全面調査を行うことで、外壁タイル等の落下による事故を防ぐことができます。また、外壁全面調査を行うことで、外壁の美観や耐久性も向上します。外壁全面調査を行うことは、建築物の価値を高めることにもつながります。 あなたの建築物は、12条点検の外壁全面調査が必要となるものですか?もしそうであれば、早めに外壁全面調査を実施し、外壁タイル等の落下防止対策を行いましょう。外壁全面調査を行うことで、あなたの建築物は、安全で美しいものになるでしょう。 Copyright © 全国ドローン災害対策連絡会

雨漏りの調査方法と費用ついてご紹介

雨漏りの調査方法と費用ついてご紹介雨漏りは住宅オーナーにとって重大な問題ですが、その原因を特定し、修理するためには正確な調査が必要です。この記事では、雨漏りの調査方法と費用について詳しく説明します。雨漏り被害を最小限に抑え、財布にやさしい修理方法を見つけるための情報を提供します。代表的な雨漏りの調査方法と調査費用の目安雨漏りの原因を特定するためには、さまざまな調査方法があり、それぞれ異なる費用がかかります。以下では代表的な雨漏りの調査方法と、それぞれの調査費用の目安について説明します。雨漏りの目視調査雨漏りの目視調査は、建物内外を詳細に観察する方法です。調査対象の屋根、壁、天井、窓などを目で確認し、浸水や漏水の兆候を探します。この調査は比較的簡単に行えますが、問題が目に見えない場合もあるため、追加の調査が必要な場合があります。雨漏りの目視調査費用の目安・費用範囲: 0から3万円 ・複雑な場合や高所の作業が必要な場合は、費用が高くなることがあります。雨漏りの散水調査雨漏りの散水調査は、外部から水をまいて漏水箇所を特定する方法です。建物の外壁や屋根に水をかけ、漏水箇所から水が侵入する様子を観察します。漏水箇所を特定しやすい利点がありますが、高い費用がかかることがあります。雨漏りの散水調査費用の目安・費用範囲: 5万円から35万円 ・建物の大きさや高さ、アクセスのしやすさによって費用が異なります。雨漏りのガス調査雨漏りのガス調査は、特殊なガスを使用して漏水箇所を検出する方法です。ガスを建物内部に供給し、外部に漏れる場所を特定します。この方法は非破壊であり、建物の内部を傷つけずに調査できます。ただし、高度な専門知識と設備が必要です。雨漏りのガス調査費用の目安・ 費用範囲: 15万円から35万円 ・建物の大きさやアクセスのしやすさによって費用が変動します。雨漏りの電気調査雨漏りの電気調査は、建物内部の電気抵抗を測定することで、水の浸入箇所を特定します。この方法は非破壊であり、建物の内部を傷つけずに調査できる利点があります。建物の電気配線や機器が水によって影響を受けていないかを確認するのに役立ちます。雨漏りの電気調査費用の目安・費用範囲: 3万円から10万円 ・雨漏りの場所や建物の構造によって費用が変動します。雨漏りの赤外線調査赤外線調査は、建物の外部から赤外線カメラを使用して、断熱や気密性の問題を検出する方法です。これにより、雨漏りの原因となる熱の逃げ道を特定します。建物の断熱材や窓のシーリングに問題がある場合、赤外線調査が有用です。雨漏りの赤外線調査費用の目安・費用範囲: 5万円から15万円 ・建物の規模や調査の難易度によって費用が異なります。雨漏りのドローン調査雨漏りのドローン調査は、高所や難アクセスな場所を効率的に調査するためにドローンを使用します。建物の外観や屋根を詳細に確認し、浸水箇所を特定します。ドローンは建物の周囲を安全かつ迅速に調査でき、効果的なツールとして利用されます。雨漏りのドローン調査費用の目安・費用範囲: 15万円から30万円 ・建物の高さやアクセスの難易度によって費用が変動します。これらの調査方法は、雨漏りの原因を特定するために組み合わせて使用されることもあります。 金額は目安であり、地域や調査業者によっても費用が異なることがあります。雨漏り修理業者を選ぶ際の重要ポイント雨漏りの修理業者を選ぶ際、以下のポイントを確認することが重要です。修理後に問題があった場合の保証とアフターケアの確認優良な雨漏り修理業者は、修理後に問題が再発した場合の保証を提供します。保証期間や内容を確認しましょう。また、アフターケアや緊急対応体制も重要です。24時間対応可能な業者を選ぶと安心です。ホームページなどで施工や実績が詳しく記載されているか確認信頼性のある業者は、ホームページやパンフレットなどで過去の施工実績や成功事例を詳しく掲載しています。これらを確認し、実績の豊富な業者を選びましょう。また、写真やビデオで施工過程を確認することもできます。資格を持ったスタッフの有無雨漏り修理は専門的な技術と知識が必要です。選んだ業者が資格を持ったスタッフを配置しているか確認しましょう。建築士、防水工事士などの関連資格を持つスタッフが在籍する業者は信頼性が高いです。会社名+口コミ、レビューなどで検索インターネット上で業者の評判を調べるのも有効です。業者の会社名を検索エンジンで検索し、口コミやレビューサイトで他の顧客の評価を確認しましょう。多くのポジティブな評判がある業者を選びましょう。ただし、単一の評価だけでなく、複数の情報源から情報を収集することが大切です。まとめ雨漏り修理はコストがかかることがありますが、正確な調査と適切な修理業者の選定によって、費用を抑える方法があります。散水調査、ガス調査、赤外線調査、ドローン調査などの方法を検討し、適切な調査を行いましょう。また、修理業者の選定に際しては、保証やアフターケア、実績、スタッフの資格、口コミなどを確認し、信頼性の高い業者を選ぶことが重要です。雨漏り被害を早期に解決し、快適な住環境を守るために、適切な対策を講じましょう。Copyright © 全国ドローン災害対策連絡会