赤外線建物診断技能師とは?ドローンを活用した外壁点検について

赤外線建物診断技能師とは?ドローンを活用した外壁点検について 赤外線建物診断技能師とは、赤外線サーモグラフィーを用いて建物の劣化や損傷を調査する技能を持った人のことです。赤外線サーモグラフィーとは、赤外線カメラで建物の表面温度を測定し、色分けした画像で表示する技術です。この技術を使うと、目視では分からない雨漏りや断熱不良などの問題を発見できます。 赤外線建物診断技能師は、建築基準法第12条の定めに基づく定期報告に必要な外壁点検を行うことができます。 赤外線サーモグラフィーとは、赤外線カメラで建物の表面温度を測定し、色分けした画像で表示する技術です。この技術を使うと、目視では分からない雨漏りや断熱不良などの問題を発見できます。 外壁点検とは、建物の外壁の状態を定期的に調査し、報告書を作成することです。外壁点検は、建物の安全性や耐久性を確保するために重要な作業です。 主な講習内容 赤外線建物診断技能師になるには、赤外線建物診断技能講習を受講し、技能試験に合格する必要があります。赤外線建物診断技能講習は、以下の内容を学ぶことができます。 赤外線ドローンの操縦方法 赤外線ドローンの操縦方法について、基本的な操作や安全な飛行のためのルールを学びます。また、実際にドローンを飛ばして、赤外線カメラの撮影や画像の確認の方法を習得します。 建物の劣化と防水の基礎知識 建物の劣化と防水の基礎知識について、建物の構造や材料、劣化の原因やメカニズム、防水の種類や方法などを学びます。また、劣化や防水の状態を判断するための基準や手順を理解します。 赤外線サーモグラフィーによる建物診断の手法と実務 赤外線サーモグラフィーによる建物診断の手法と実務について、赤外線カメラの原理や特性、赤外線画像の読み方や解釈、赤外線画像の補正や分析などを学びます。また、実際に赤外線サーモグラフィーを用いて、建物の劣化や損傷を調査する方法を習得します。 建築基準法第12条の定めに基づく定期報告について 建築基準法第12条の定めに基づく定期報告とは、建物の所有者が、建物の構造や設備の状態を定期的に調査し、報告書を作成し、所轄の行政機関に提出することを義務付けられた制度です。定期報告は、建物の安全性や耐久性を確保するために重要な作業です。 赤外線建物診断の進め方 赤外線建物診断の進め方について、以下のステップで行います。 1. 建物の情報や目的に応じて、赤外線カメラやドローンの選定や設定を行います。 2. 建物の外壁の全面を赤外線カメラで撮影します。ドローンを使う場合は、飛行計画や安全確認を行います。 3. 赤外線画像をパソコンで確認し、色分けや温度差などから、劣化や損傷の箇所を特定します。 4. 劣化や損傷の箇所を目視で確認し、原因や程度を判断します。 5. 赤外線画像や目視調査の結果をもとに、報告書を作成します。報告書には、建物の概要や調査方法、調査結果や評価、改善策や提案などを記載します。 赤外線建物診断を行う際の注意や飛行禁止法について 赤外線建物診断を行う際の注意や飛行禁止法について、以下の点に気を付けます。 ・赤外線カメラは、温度や湿度、日射や風などの環境条件に影響を受けます。そのため、調査前に赤外線カメラの校正や調整を行う必要があります。 ・赤外線画像は、建物の表面温度を反映しますが、内部の状態を直接見ることはできません。そのため、赤外線画像だけで判断せず、目視で確認することが重要です。 ・ドローンを使う場合は、飛行計画や安全確認を行うだけでなく、飛行禁止法にも従う必要があります。飛行禁止法とは、ドローンの飛行を制限する法律のことで、例えば、人や建物の密集した場所や空港の周辺などでは、ドローンの飛行が禁止されています。また、ドローンの飛行には、事前に所轄の行政機関に届け出ることが必要な場合もあります。 赤外線建物診断技能師にはどんなことができる? 赤外線建物診断技能師には、以下のようなことができます。 雨漏りの原因調査 雨漏りは、建物の最も多いトラブルの一つです。雨漏りの原因は、屋根や外壁の劣化や損傷、防水層の不良や破損、窓やドアの隙間など様々です。雨漏りの原因を特定するには、赤外線サーモグラフィーが有効です。赤外線サーモグラフィーでは、雨漏りの箇所は温度が低くなるため、赤外線画像で青色に表示されます。赤外線建物診断技能師は、赤外線画像をもとに、雨漏りの原因を調査し、改善策を提案します。 外壁の浮きやひび割れ、剥離調査 外壁は、建物の見た目や耐久性に影響する重要な部分です。外壁には、コンクリートやタイル、サイディングなど様々な材料が使われますが、どの材料も劣化や損傷によって外壁の浮きやひび割れ、剥離などの問題が発生する可能性があります。外壁の浮きやひび割れ、剥離は、目視では分かりにくい場合がありますが、赤外線サーモグラフィーでは、外壁の温度差によって赤外線画像で色分けされます。赤外線建物診断技能師は、赤外線画像をもとに、外壁の状態を調査し、修繕や補強の必要性を判断します。 定期報告に対応する撮影と解析 建築基準法第12条の定めに基づく定期報告では、建物の外壁の状態を調査し、報告書を作成することが義務付けられています。定期報告には、赤外線サーモグラフィーによる外壁点検の結果を含めることができます。赤外線建物診断技能師は、定期報告に対応する撮影と解析を行うことができます。撮影では、ドローンを使って、建物の外壁の全面を赤外線カメラで撮影します。解析では、赤外線画像をパソコンで確認し、劣化や損傷の箇所を特定し、評価します。また、報告書には、赤外線画像や目視調査の結果をもとに、改善策や提案を記載します。 赤外線技能診断師を取得する人が多いとされる職業 赤外線技能診断師を取得する人が多いとされる職業は、以下のようなものです。 建設会社の設計や工務の担当者 建設会社の設計や工務の担当者は、建物の設計や施工に携わる人です。赤外線技能診断師を取得すると、建物の劣化や損傷を早期に発見し、修繕や補強の計画や実施に役立ちます。また、建物の性能や品質を高めるために、赤外線サーモグラフィーを設計や施工の段階で活用することができます。 不動産管理会社 不動産管理会社は、建物の所有者に代わって、建物の管理や運営を行う会社です。赤外線技能診断師を取得すると、建物の定期報告に必要な外壁点検を行うことができます。また、建物の劣化や損傷を把握し、修繕や補強の予算やスケジュールを立てることができます。さらに、建物の価値や魅力を高めるために、赤外線サーモグラフィーを活用することができます。 リフォーム会社 リフォーム会社は、建物の改修や改装を行う会社です。赤外線技能診断師を取得すると、リフォームの前に、建物の劣化や損傷を調査し、リフォームの内容や範囲を決めることができます。また、リフォームの後に、建物の性能や品質を確認することができます。さらに、赤外線サーモグラフィーを用いて、リフォームの効果やメリットをお客様に説明することができます。 住宅検査会社 住宅検査会社は、建物の状態を検査し、診断書を作成する会社です。赤外線技能診断師を取得すると、赤外線サーモグラフィーを用いて、建物の劣化や損傷を検査することができます。また、赤外線サーモグラフィーを用いて、建物の性能や品質を評価することができます。さらに、赤外線サーモグラフィーを用いて、検査の結果や診断書の内容をお客様に説明することができます。 損害保険会社 損害保険会社は、建物の損害や破損に対して、保険金を支払う会社です。赤外線技能診断師を取得すると、赤外線サーモグラフィーを用いて、建物の損害や破損の原因や程度を調査することができます。また、赤外線サーモグラフィーを用いて、建物の修繕や補強の必要性や費用を判断することができます。さらに、赤外線サーモグラフィーを用いて、保険金の支払いや請求の処理を行うことができます。 赤外線建物診断技能師の取得にかかる費用と期間 赤外線建物診断技能師の取得にかかる費用と期間は、以下の通りです。 研修、受講料 赤外線建物診断技能講習は、一般社団法人日本建物診断協会が主催するものがあります。この講習は、2日間で行われ、研修時間は合計16時間です。受講料は、会員の場合は30,000円、非会員の場合は40,000円です。 受験料 赤外線建物診断技能試験は、一般社団法人日本建物診断協会が主催するものがあります。この試験は、筆記試験と実技試験からなります。筆記試験は、赤外線建物診断の基礎知識や手法に関する問題を解きます。実技試験は、赤外線ドローンの操縦や赤外線画像の解析に関する問題を解きます。受験料は、会員の場合は20,000円、非会員の場合は25,000円です。 認定登録料 赤外線建物診断技能試験に合格した後、赤外線建物診断技能師として認定されるには、認定登録料を支払う必要があります。認定登録料は、10,000円です。 更新料 赤外線建物診断技能師の認定は、3年間有効です。認定期間が終了する前に、更新料を支払うことで、認定を更新することができます。更新料は、5,000円です。 まとめ 赤外線建物診断技能師とは何か、どんなことができるか、どうやって取得するか、について説明しました。赤外線建物診断技能師は、赤外線サーモグラフィーとドローンを使って、建物の劣化や損傷を調査する技能を持った人です。赤外線建物診断技能師になるには、赤外線建物診断技能講習を受講し、技能試験に合格する必要があります。赤外線建物診断技能師は、建物の定期報告や修繕や補強の計画や実施に役立ちます。また、建物の性能や品質を高めるために、赤外線サーモグラフィーを活用することができます。 赤外線建物診断技能師は、建物の管理や運営に関わる人にとって、有用な資格です。もし、あなたが赤外線建物診断技能師に興味があるなら、ぜひチャレンジしてみてください。建物の状態を可視化する赤外線サーモグラフィーとドローンの技術は、あなたの仕事に新たな価値をもたらすでしょう。 Copyright © 全国ドローン災害対策連絡会