【災害名】

宮城県北部地震(みやぎけんほくぶじしん)

【時期】

2003年7月26日0時13分(前震) 2003年7月26日7時13分(本震)

【概要】

2003年(平成15年)7月26日、宮城県北部(鳴瀬町、矢本町、河南町周辺)を震源として連続的に発生した地震で、最大震度6弱を超える地震が1日の内に3回発生した。『宮城県連続地震』とも呼ばれている。 この地震の特徴は、本震と思われた強い前震の後に、さらに強い揺れの本震が発生したことである。

【被害状況】

被害は、負傷者677人、住宅全壊1,276棟、半壊3,809棟、一部破損10,976棟。これらの被害の多くは本震によるもので、死者が出なかったのは前震で警戒感が高まっていたからだとも推測されている。 震源は「旭山撓曲」とよばれる推定活断層の直下にあり、この断層が活動したのではないかと地表踏査が行われたが、地表の震源断層は確認されなかった。 旭山撓曲は、文部科学省が実施している活断層調査の調査対象(98断層帯)には含まれていなかった。しかしその後の調査の結果、別の活断層が旭山撓曲の東側で発見され「須江断層」と命名された。 この断層は現在より2000万年以上前に形成された断層であり、それが再活動したと考えられている。須江断層を地下へ延長すると、この地震の震源に重なることから、この断層が震源である可能性が高い。 なお、2005年4月の自治体合併で鳴瀬町と矢本町は東松島市となり、河南町は石巻市の一部となったほか、2006年の地域名称変更により、現在の地域名称では震源地は宮城県中部である。 0時13分の地震、各地の震度 震度6弱 宮城県 矢本町 鳴瀬町 震度5強 宮城県 鹿島台町 南郷町 震度5弱 宮城県 石巻市 大郷町 松山町 涌谷町 田尻町 河南町 震度4 岩手県 室根村 7時13分の地震、各地の震度 震度6強 宮城県 南郷町 矢本町 鳴瀬町 震度6弱 宮城県 鹿島台町 涌谷町 小牛田町 河南町 桃生町 震度5強 宮城県 石巻市 古川市 松山町 田尻町 米山町 震度5弱 宮城県 大郷町 三本木町 高清水町 一迫町 瀬峰町 金成町 志波姫町 迫町 中田町 河北町 仙台市泉区 震度4 岩手県 大槌町 普代村 野田村 陸前高田市 盛岡市 二戸市 一関市 矢巾町 東和町 前沢町 胆沢町 衣川村 花泉町 平泉町 藤沢町 千厩町 室根村 宮城県 気仙沼市 富谷町 大衡村 加美町 色麻町 岩出山町 若柳町 栗駒町 鴬沢町 花山村 登米町 女川町 志津川町 仙台市青葉区 仙台市宮城野区 仙台市若林区 名取市 多賀城市 大河原町 川崎町 亘理町 松島町 利府町 秋田県 西仙北町 山形県 新庄市、最上町、中山町 福島県 いわき市 新地町

【特記事項】

翌7月27日(日)。航空自衛隊松島基地で航空祭が予定されていたが中止となった。 地震の影響で基地内の一部が損傷し、松島基地内に災害対策本部が設けられ、航空祭どころではなくなった。 航空祭開催予定日の朝、航空祭が中止になった事を知らずに多くの人が基地を訪れてしまい、急遽基地正面門前や最寄り駅に隊員を派遣して、「航空祭は中止になりました」との呼びかけや対応を行った。