【災害名】

2013年の猛暑(2013ねんのもうしょ)

【時期】

2013年(平成25年)7月~8月にかけて

【概要】

山梨県甲州市勝沼では9日に39.1℃、10日に39.2℃、11日に39.3℃、12日に39.1℃と4日連続で日最高気温39℃以上を、群馬県館林市で11日に日最高気温39.5℃を観測した。 また7月22日から25日頃にかけてと7月31日から8月3日にかけては佐賀県や宮崎県、高知県などで高温となった。 8月上旬後半から中旬に北日本から西日本にかけて気温が平年よりかなり高くなり、9日には高知県四万十市江川崎で39.3℃を観測。 高知県四万十市江川崎など同地点の相次ぐ記録的高温の観測については、太平洋高気圧の上から覆いかぶさるようにチベット高気圧が張り出して「2階建て構造」になっている高気圧の内部を吹き下りる空気の流れが強められ、地表付近で圧縮、加熱されて気温を押し上げていることに加え、山越えの乾いた熱い風が吹くフェーン現象が影響しているとの見解が示されている。 18日頃から23日にかけては九州で再び猛烈な暑さとなった。 20日には熊本県天草市牛深で、日最高気温が歴代九州1位タイとなる39.6℃を観測している。 22日には東海地方各地でも38~39℃の猛烈な暑さとなっている。 以降次第に暑さはおさまるが、10月9日に 新潟県糸魚川市で、歴代全国で最も遅い10月としては初めての猛暑日35.1℃を観測した。 月ごとの気温の平年との差は、6月は東日本で+0.9℃、西日本で+0.7℃、南西諸島で+0.9℃。7月は北日本で+1.3℃、西日本で+1.6℃、南西諸島で+0.3℃。 8月は東日本と西日本で+1.3℃、南西諸島は+0.8℃であった。 特に6月中旬の西日本での+2.8℃、7月上旬の北日本での+3.4℃、8月上旬の南西諸島の+1.4℃、8月中旬の北日本の+2.7℃、東日本の+2.4℃、西日本の+2.3℃はいずれも当時の旬別の歴代最高記録である。 なお、西日本では、夏の平均気温は+1.2℃と1946年の統計開始以来最も高かった。 この夏、全国のアメダス観測所927地点のうち125地点(タイ記録も含めると143地点)で日最高気温の記録を更新した。

【被害状況】

日最高気温 (40.0℃以上) 41.0℃ – 高知県四万十市江川崎 (全国歴代1位) 40.7℃ – 山梨県甲府市 (同5位) 40.5℃ – 山梨県甲州市勝沼 (同8位) ※順位は当時のもの。 月平均気温 (30.0℃以上) 30.0℃ – 福岡県福岡市 (7月、8月)、大阪府大阪市(8月)、鹿児島県鹿児島市(8月) 日最高気温の月平均 (35.0℃以上) 35.7℃ – 高知県四万十市江川崎 35.5℃ – 岐阜県多治見市 35.3℃ – 山梨県甲府市 35.2℃ – 大阪府豊中市 35.1℃ – 京都府京都市、京都府京田辺市

【特記事項】

日本上空で、下層の太平洋高気圧と上層のチベット高気圧がともに全国的に平年より強く、特に太平洋高気圧が西日本・南西諸島まで強く張り出したため、晴天が続き、高温となった。 高気圧の内部を吹き下りる空気の流れが強められ、地表付近で圧縮、加熱されて気温を押し上げていたと考えられる。 また、四万十市江川崎での40度を超す猛烈な暑さの原因について高知地方気象台は、上記に加え山越えの乾いた熱い風が吹くフェーン現象も重なったためとみている。