日本は世界と比べると自然による災害が起こりやすいため、約80%の世帯が火災保険に加入しています。
 しかし、火災保険に加入しているものの契約そのものや、特約などの補償内容を理解せずに申し込んでいる人が多く、いざというときに必要なオプションがないというケースも起こっています。

 そこで、ここでは、火災保険に付帯できるオプションにフォーカスし、オプションの種類や検討中の人に
おすすめのオプション、知っておきたいオプション追加時の注意点について解説します。

【火災保険の特約とは】

居住環境などに応じて自由に追加できるのがオプション(特約)です。
火災保険は、火事だけでなく落雷や風災、爆発などで生じた建物や家財の損害を補償する保険です。
基本の契約内容に含まれていない、必要な補償内容はオプション(特約)という形で契約に付帯することができます。

ただし、商品によって補償範囲は異なります。
商品Aに含まれていても、他社の商品Bには含まれておらず、オプション(特約)となっているケースがあるので注意が必要です。

◆火災保険に追加できるオプションの種類

火災保険に付帯できるオプションは、大きく分けると2種類あります。

・自然災害の損害を補償するもの
・日常生活の事故を補償するもの

「火災の損害を補償するもの」では、自然災害に関連する水災や地震などで生じる費用の補償といったオプションがあげられます。
「日常生活の事故を補償するもの」は、火災に関係のない部分の費用を補償してもらえるオプションです。
盗難や飛来・衝突といった破損など、日常生活で起こり得るさまざまな事故に対応したものがあります。

◆火災保険の契約途中でもオプション追加は可能

火災保険は、契約時にある程度の補償内容を決めて申し込みをするのが一般的です。ただ、自然災害のニュースや地域のハザードマップなどを見直して必要に感じるオプションを追加しようと思うこともあるでしょう。

契約途中のオプション追加は、ほとんどの保険会社で認められているので、必要性を感じたオプションがあれば火災保険に追加しましょう。

豪雨災害の例・重要な補償がオプションなのか確認しよう

【必要に応じて火災保険に付帯したいオプション】

加入できるオプション(特約)は保険会社によって異なりますが、保険会社で用意されていることが多い不測・突発的な事故に備えてつけておくと安心なオプションを紹介します。

◆水災(水害)補償

洪水、土砂崩れ、高潮などで所定の損害を受けたときに補償してもらえるのが、火災保険の水災補償です。

・水害の備えをしていない世帯が多い

内閣府の「保険・共済による災害への備えの促進に関する検討会 報告」によると、持ち家世帯で水災補償に加入している世帯は約66%となっており、約34%は未加入です。

ただ、台風だけでなく、異常気象による集中豪雨で洪水や土砂崩れといった水災が増えており、海沿いでは高潮による浸水被害も発生しています。

ハザードマップで浸水区域外となっている場合、水災補償の必要性を感じないかもしれませんが、家が山側の斜面に近い場合、
大規模な土砂崩れなどの被害にあう可能性があるため、大きな河川や山側に家が建っているのであれば水災補償は入れておくと安心です。

◆破損・汚損損害等補償特約

小さな子どもやペットなどを買っている家庭におすすめなのが、破損・汚損損害等補償特約です。

・大掃除でテレビを動かしたとき落として液晶部分を破損
・子どもがボールを投げて窓ガラスを割った

上記のような、偶発的な小事故に対して補償が受けられます。
商品によって、家財もしくは建物のみとなっていることがあるので、申し込みの際は具体的な損害の対象を確認しましょう。

破損汚損特約ではこのような突発的な事故が補償される

◆新価実損払特約

被害を受けた建物や家財と同等のものを購入したり、復旧したりするのに必要な金額(再調達価額)を補償してくれるのが
新価実損払特約です。

物は年数を重ねると価値が下がります。
建物も使用年数に応じて価値が下がるため、時価額での補償の場合、同じ建物の再築や物の再購入が難しいです。

しかし、新価実損払特約の場合、時価額(現在の時点の評価額)ではなく、事故発生時点の評価で再調達に必要な金額を
補償してもらえるため、今の建物と同等程度の建物の再築や物の再購入に必要な費用に相当する保険金を受け取れます。

【火災保険のオプション追加時の注意点】

火災保険のオプションを追加するときは以下の2つのことに注意しましょう。

◆他の保険に付帯する補償との重複

火災保険に付帯できるオプションの中には、自動車保険などで加入できるオプションがあります。
また、保険会社によって商品名が異なるだけということもあるので、契約の際は、既存の保険も横断的に
確認して申し込むようにしましょう。

◆補償の手厚さと保険料の妥協点を見つける

考え得る損害に備えるのが保険ですが、補償内容が充実するほど、保険料のコストがかさみます。
そのため、家族と相談し、補償の手厚さと保険料の妥協点を見つけることがポイントとなります。

・居住地域で起こり得る災害について調べることが大事

ハザードマップや竜巻分布図、災害をもたらした気象事例など、居住地域で起こり得る災害について調べて、
住宅環境からオプションの必要・不要を見極めるようにしましょう。

【まとめ】

火災保険には、基本契約に付帯できるさまざまなオプションが用意されています。
基本契約の内容と居住地域で起こり得る災害の可能性を確認して自分のニーズに合ったオプションを追加し、
不測の事態に備えましょう。