【災害名】
令和元年房総半島台風(れいわがんねんぼうそうはんとうたいふう、令和元年台風第15号)
【時期】
2019年(令和元年)9月5日~9月10日にかけて
【概要】
令和元年房総半島台風(れいわがんねんぼうそうはんとうたいふう、令和元年台風第15号、アジア名:ファクサイ/Faxai、命名:ラオス、意味:女性の名前)は、2019年(令和元年)9月5日に発生した台風。
関東地方に上陸したものとしては観測史上最強クラスの勢力で9月9日に上陸し、千葉県を中心に甚大な被害を出した。この台風により、首都圏やその周辺などの台風災害に対する脆弱性が改めて浮き彫りとなった。
【被害状況】
総務省消防庁が2020年9月30日12時00分に発表したところによると、東京都と千葉県での死者9人、埼玉県と千葉県、神奈川県、茨城県での重傷者20人を含む、1都6県で160人が重軽傷を負った。台風通過時には、東京都世田谷区で50代の女性が強風にあおられて壁に頭を打ちつけたことで死亡した。
総務省消防庁のまとめでは、住宅被害は千葉県を中心に9万棟を超えており、このうち9割以上が一部破損である。
関東の広い地域で工事現場の足場が崩れる被害が見られた。
伊豆諸島では、少なくとも6島で600棟以上の建物が損壊した。
新島ではその中でも特に被害が大きく、全壊7軒、半壊14軒、一部損壊418軒となり、400棟以上が損壊した。
伊豆大島では、150棟を超える住宅が壊れたが、被害の全容が把握できていないという。
【特記事項】
ウェザーニューズの調査によると、台風の中心付近から半径約40kmの範囲で約7hPa/10km以上の気圧傾度であり、特に中心から半径約20kmの範囲では約9hPa/10kmと、急激な気圧傾度がみられた。
大阪を中心に暴風をもたらした平成30年台風第21号では大阪での気圧傾度が約5hPa/10kmであり、それ以上に大きい気圧傾度であった。
この急激な気圧傾度が台風の中心付近で記録的な強風になった要因と推察される。