【災害名】

令和元年8月の前線に伴う大雨(れいわがんねん8がつのぜんせんにともなうおおあめ)

【時期】

2019年(令和元年)8月27日から佐賀県と福岡県、長崎県を中心とする九州北部で発生した集中豪雨

【概要】

長崎県から佐賀県、福岡県にかけての広い範囲で、秋雨前線の影響で線状降水帯が発生し、8月28日を中心として各地で観測史上1位の値を更新する記録的な大雨となった。
気象庁は8月28日早朝に、3県に大雨の特別警報を発表した。

【被害状況】

発表および報道によると、福岡県八女市で1名と佐賀県武雄市で3名が死亡となっている。
大雨により福岡県の巨瀬川、佐賀県の牛津川、松浦川、長崎県の江迎川が氾濫、洪水が発生した。
その他、福岡県南部や佐賀市などの市街地でも広範囲に冠水、佐賀駅構内なども浸水した。
佐賀県多久市、小城市、杵島郡大町町、武雄市北方町などでも洪水により浸水、住民などが一時孤立した。
ほか、福岡県で豪雨により直接、河川の堤防の斜面が一部崩れる被害も出たが、それによる決壊は無かった。
佐賀、長崎、福岡の3県のほか、大分県日田市、中津市などでも一部土砂崩れや浸水による被害があった。
佐賀市で28日時点、750世帯で断水、30日に解除。ほか、27日から30日にかけて福岡県八女市、長崎県佐世保市、壱岐市など合計2,915世帯で浄水場冠水や配水管破損のため断水した。雷や倒木、土砂災害により佐賀市、武雄市、小城市など320戸で27、28の両日に最大15時間停電。福岡県でも約360戸で停電した。

【特記事項】

27日から29日にかけて対馬海峡に秋雨前線が停滞し、集中豪雨をもたらす線状降水帯が生じた。28日5時50分、気象庁は佐賀県と福岡県、長崎県に大雨特別警報を発表した。
対象地域の佐賀県は全域、福岡県は筑後地方(北部、南部)、長崎県は北部(平戸・松浦、佐世保・東彼)。この特別警報は、28日午後に解除された。
29日には 長崎地方気象台が長崎県壱岐市で「50年に一度の大雨となっている」と発表した。
福岡管区気象台などによると、台風11号から変わった中国大陸の低気圧、フィリピンで発生中の台風12号、日本はるか南の太平洋高気圧の3つの気象要因が重なり、九州北部の秋雨前線に大量の湿気を含んだ暖気が流入した事によると言う。