2016年8月 台風第7号

【災害名】 平成28年台風第7号(へいせい28ねんたいふうだい7ごう) 【時期】 2016年(平成28年)8月14日~8月18日にかけて 【概要】 2016年8月10日にフィリピンの東で形成が始まった低気圧93Wについて8月11日15時(協定世界時11日6時)、気象庁は熱帯低気圧として観測を開始した。同日21時、台風に発達する可能性があるとして熱帯低気圧情報の発表を開始し、合同台風警報センター(JTWC)は12日6時30分(協定世界時11日21時30分)にTCFA(熱帯低気圧形成警報)を発令。13日15時(協定世界時13日6時)に熱帯低気圧番号09Wを割り当てた。09Wは14日3時(協定世界時13日18時)にマリアナ諸島の北緯20.9度、東経142.9度で台風になり、アジア名チャンスー(Chanthu)と命名された。 【被害状況】 この台風により、東日本から北日本にかけての広い範囲で大雨による被害が出た。16日夜から17日にかけて、北海道の広い範囲で大雨が降り、16日0時から17日24時までの総雨量は胆振地方の白老町森野で233.5mm、日高地方の浦河町中杵臼で207.5mmとなった。また、根室市納沙布で42.5mm(17日0時28分まで)、江別市江別で40.0mm(16日20時50分まで)の1時間雨量となり、いずれも統計開始以来の極値を更新した。さらに17日19時40分までの3時間雨量は、河東郡上士幌町ぬかびら源泉郷で108.0mm、富良野市富良野で86.0mmに達し、いずれも統計開始以来の極値を更新。17日の日降水量は、上川郡美瑛町白金で157.5mm、上士幌町三股で146.0mmとなり、どちらも統計開始以来の極値を更新した。関東地方では、16日夜から17日明け方にかけて、千葉県と茨城県を中心に大雨となった。茨城県土浦市では65.5mmの1時間降水量となり、観測史上1位の記録を更新。その後17日朝以降は台風一過で晴れ、台風による暖かい空気の影響で、群馬県館林市で39.6度を観測するなど、内陸部を中心に猛暑日となった。東北地方でも太平洋側を中心に大雨が降り、多くの地域に一時土砂災害警戒情報が発表されていた。福島県茂庭で1時間降水量55.5mmを記録し、観測史上1位の記録を更新するなどした。そして北海道では、台風の上陸により大雨のみならず暴風も記録的なものとなった。17日19時45分には釧路市で最大瞬間風速43.2m/sを観測し、観測史上1位の記録を更新。最大風速については、31.8m/sを観測した釧路市をはじめ、大津で24.7m/s、鶴丘で24.0m/s、小清水で21.0m/s、白糠で19.6m/sとなるなど、いずれも観測史上1位の記録を更新した。北海道では18日、白糠町にある中学校の屋根が強風で吹き飛び、校庭に崩れ落ちる被害があった。道内では台風通過後も局地的な豪雨が続き、北見市常呂町を流れる常呂川が氾濫危険水位を超えた。また足寄町では、町内を流れる2本の川の水があふれ、住宅の浸水や道路の冠水の被害が発生し、約780世帯1620人に避難指示が出された。さらに道東を中心に大規模な停電も起こり、道内全体で最大8万戸以上が停電した住宅の浸水は、足寄町で約40戸、床上浸水が札幌市厚別区や置戸町などで計8棟、床下浸水が計18棟であった。20日には国道273号の上川町層雲峡の高原大橋が、石狩川の増水によって橋脚が沈むなどの被害が出たため通行止めとなったが、三国峠を含む国道273号上士幌町三股-上川管内上川町層雲峡(15.2km)が、9月30日14時に通行止めが解除された。 【特記事項】 台風はやや発達しながら15日から16日にかけて小笠原諸島及び伊豆諸島の東海上を北上し、一旦勢力を弱めたものの、17日になってから再発達し、2時前後に千葉県銚子市沖を通過。その後も関東・東北沖を陸地に沿うように北上し、同日9時に中心気圧980ヘクトパスカルという最低気圧を記録した。更に発達した台風は同日12時に最大風速30メートルを記録し、初めて暴風域を伴うようになった。そして17時30分頃、北海道の襟裳岬(様似町)付近に上陸した。18日3時、オホーツク海の北緯47.7度、東経144.6度で温帯低気圧に変わった。

2016年4月 熊本地震

【災害名】 熊本地震(くまもとじしん) 【時期】 2016年(平成28年)4月14日21時26分 【概要】 4月14日21時26分、熊本県熊本地方を震央とする震源の深さ11 km、気象庁マグニチュード (Mj) 6.5、モーメントマグニチュード (Mw) 6.2の地震(前震)が発生し、同県の益城町で震度7を観測した。その28時間後の4月16日1時25分には、同じく熊本県熊本地方を震央とする震源の深さ12 km、Mj7.3、Mw7.0の地震(本震)が発生し、西原村と益城町で震度7を観測した。Mj7.3 は1995年に発生した兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)と同規模である。14日の地震は日奈久断層帯の北端部の活動、16日未明の地震は布田川断層帯の活動によるもので、隣接する二つの断層帯が連動することで発生した連動型地震とみられている。さらに16日の本震以降、熊本県熊本地方の北東側に位置する阿蘇地方から大分県西部にかけての地域と、大分県中部(別府-万年山断層帯周辺)地域においても地震が相次ぎ、熊本地方と合わせて3地域で活発な地震活動がみられた。 【被害状況】 4月14日21時26分、一連の地震で最初の地震(Mj6.5)が発生し益城町で震度7(計測震度6.6)を観測した。震度5弱以上が観測された市町村は以下の通り。熊本県の嘉島町では、地震直後に震度情報が未入電となり、震度5弱以上と推定されていた。中部地方の一部から九州地方にかけての範囲で震度1から震度4を観測した。4月14日21時26分の地震で震度5弱以上が観測された気象庁の発表地点震度7熊本県 益城町宮園震度6弱熊本県 玉名市天水町・西原村小森・嘉島町上島・宇城市松橋町・宇城市不知火町・宇城市小川町・宇城市豊野町・熊本東区佐土原・熊本西区春日・熊本南区城南町・熊本南区富合町震度5強熊本県 玉名市横島町・菊池市旭志・宇土市浦田町・大津町大津・菊陽町久保田・御船町御船・熊本美里町永富・熊本美里町馬場・山都町下馬尾・氷川町島地・合志市竹迫・熊本中央区大江・熊本北区植木町震度5弱熊本県 熊本高森町高森・阿蘇市内牧・南阿蘇村吉田・南阿蘇村河陽・八代市平山新町・八代市松江城町・八代市千丁町・八代市鏡町・菊池市泗水町・長洲町長洲・大津町引水・甲佐町豊内・氷川町宮原・合志市御代志・和水町江田・上天草市大矢野町・上天草市松島町・天草市五和町宮崎県 椎葉村下福良気象庁は地震検知から3.8秒後の21時26分42.5秒に緊急地震速報(警報)を熊本県・大分県・宮崎県・福岡県・佐賀県の全域、長崎県の南西部と北部と島原半島、鹿児島県の薩摩地方と大隅地方、山口県の西部と中部、愛媛県の南予地方を対象として発表した。消防庁の発表によると、2019年4月12日現在、住宅の全壊が8,667棟、半壊が34,719棟、一部破損が163,500棟、床上浸水が114棟、床下浸水が156棟、公共建物の被害が467棟確認されている。被災後の建物の危険性を調べる応急危険度判定は5月1日までに当初予定分を終え、判定を行った46,966棟のうち13,113棟の建物が倒壊するおそれのある「危険」判定を受けた。 【特記事項】 気象庁震度階級では最も大きい震度7を観測する地震が4月14日夜および4月16日未明に発生したほか、最大震度が6強の地震が2回、6弱の地震が3回発生している。日本国内の震度7の観測事例としては、4例目(九州地方では初)および5例目に当たり、一連の地震活動において、現在の気象庁震度階級が制定されてから初めて震度7が2回観測された。また、熊本県益城町で観測された揺れの大きさは計測震度6.7で、東北地方太平洋沖地震の時に宮城県栗原市で観測された揺れ(計測震度6.6)を上回り、国内観測史上最大となった。

2014年9月 御嶽山噴火

【災害名】 2014年の御嶽山噴火(2014ねんのおんたけさんふんか) 【時期】 2014年(平成26年)9月27日11時52分(日本時間) 【概要】 山頂の南西、地獄谷付近の地下にあった熱水溜まりが何らかの原因で過熱(あるいは減圧)したことにより急膨張した結果、突沸し噴出に至った。山頂付近で噴火に遭遇し生還した登山者によれば、「最初の噴出は岩がぶつかるような音で始まり、爆発音はなかった」との証言がある。新たな火口は、1979年噴火の火口列の南西250 - 300メートル付近の位置に平行に複数個が形成され、最初の噴火では火砕流も発生し、火口南西側の地獄谷を約3キロ程度流下、火口北西側の尺ナンゾ谷にも流れ下ったことが観測された。また、降下した火山灰を構成する粒子は大部分が変質岩片で構成され、マグマ由来の成分は検出されていないため、今回の噴火は水蒸気爆発と分析されている。日本国内において噴火災害で死者を出したのは、1991年6月3日の雲仙・普賢岳の大火砕流以来となり、死者数も雲仙・普賢岳の43人を超え、戦後最悪の58人となった。東京大学地震研究所助教授で火山学者の金子隆之は、噴石の初速を360メートル毎秒(時速1,296キロメートル、約マッハ1.05)、山頂付近での速度を300メートル毎秒(時速1,080キロメートル、約マッハ0.88)と推定している。 【被害状況】 噴火警戒レベル1(平常)の段階で噴火したため、火口付近に居合わせた登山者ら58名が死亡した、日本における戦後最悪の火山災害である。今回の噴火は地下水がマグマに触れ、蒸発した水蒸気が圧縮されたことによる水蒸気爆発型噴火であった。9月10日には52回、翌11日には85回の火山性地震が観測されており、12日には気象庁は「火山灰等の噴出の可能性」を発表し、各自治体にも通知した。しかし2007年噴火のような山体膨張や火山性微動といったマグマの上昇を示すデータは観測されなかったため、警戒レベルは平常時と同じ「1」のままにし、レベル2(火口周辺規制)には変更せず、その後地震の回数が減ったことから、自治体も注視するに留め、登山者への警戒呼びかけなど新たな対応を求めることはなかった。つまり、自治体の担当者が判断の根拠とした諸情報を組織の内部に抱え込んでいるばかりで、肝心の一般登山者に直近の情報をまったく伝えていなかったため、一般登山者は警戒することすらできなかった。 【特記事項】 噴火自体は他山の例と比較した場合小規模で、1979年にほぼ同じ場所で発生した同規模の爆発では1人の死傷者も出さなかったにもかかわらず、今回は日本国内では1991年の雲仙普賢岳以来、死者数は戦後最悪となる多数の人的被害を出し、登山客が巻き込まれたものとしては明治以来最悪となった。これは、被害を増大する複数の要因が重なったためであった。

2014年8月 豪雨による広島市の土砂災害

【災害名】 平成26年8月豪雨による広島市の土砂災害(へいせい26ねん8がつごううによる ひろしましの どしゃさいがい) 【時期】 2014年(平成26年)8月20日 【概要】 2014年8月19日夜から20日明け方にかけて、広島市安佐南区八木・緑井・山本および安佐北区可部を中心としたごく狭い範囲に集中豪雨が発生した。「数百年に1回程度よりはるかに少ない確率」で発生した記録的集中豪雨であった。線状降水帯が発生し、3時間降水量は200ミリを超え、同時多発的に大規模な土石流が発生した。広島市災害対策本部のまとめでは、土砂災害166か所(うち土石流107か所、がけ崩れ59か所)が発生している。1.記録的集中豪雨が、2.午前1時半から午前4時の真っ暗で対応の難しい時間帯に、3.新興住宅地など人家が密集する住宅地後背の山々を襲った、の3つの悪条件が重なったことで甚大な被害を出した「都市型土砂災害」である。 【被害状況】 行方不明者の捜索は約1か月間におよび、災害における直接死は74人、これに2016年現在で災害関連死3人が加わり、死者77人となった。この災害死の数は、国土交通省の発表によると土砂災害による人的被害としては過去30年間の日本で最多であり、1983年7月に島根県西部で87人が死亡・行方不明となった豪雨(昭和58年7月豪雨)による土砂災害以来の大きな人的被害となった。広島市に限れば、1999年の6.29豪雨災害における土砂災害被害を上回った。近年まれに見る死者数の多さから、社会問題として大きく扱われた。住宅被害、電気・水道・ガスなどに加えて、交通網が集散する場所であったことからライフライン・インフラすべてにおいて大きな被害を受けた。避難勧告の対象範囲は大きく、避難所へはピーク時で904世帯・2,354人が避難したものの、安全が確認されるまで長期にわたり避難所での生活を余儀なくされた。前半は大竹市、廿日市市など広島市南西側の沿岸部で降り始め、線状降水帯の発達にともない徐々に広島市内へと続いていった。この時点での1時間降水量は、廿日市市役所46ミリ(19時20分 - 20時20分)、広島地方気象台45.5ミリ(21時20分 - 22時20分)と、どの地点でも50ミリを超えなかった。広島市中心部では19時30分ごろから雷が鳴り始め、20時ごろより雨が強くなり、20時から22時にかけて広島市内の約9,400軒が停電した。平和大通りなどでは膝下まで道路が冠水(内水氾濫)し、広島高速4号線上り線で中広出入口が冠水したため通行止めになる(23時解除)など市中心ではさまざまな被害が出ていた。後半は新たな線状降水帯が東進しながら急速に発達・合体したことによるもので、20日1時から4時に安佐南区・安佐北区を中心とした局地的領域に停滞し時間の経過とともに猛烈な雨が降った。20日1時30分から4時30分までの3時間降水量は、安佐北区役所・安佐北区上原・安佐北区三入東・安佐北区三入の4地点で200ミリを超え、150ミリを超えたのはその4地点を含めて約8キロ×約15キロのごく狭い範囲に集中した。 【特記事項】 災害発生時の8月19日夜から20日朝、北海道付近から対馬海峡付近にかけて南西の方向に秋雨前線が延び、前線は日本海海上にあってその南に中国地方が位置し、前線に向かって日本の南海上から暖かく湿った空気が流れ込む状況にあった。このとき広島市付近では、上空の寒冷渦の影響などで大気が不安定であるとともに、下層(地表付近)では豊後水道を通って南から暖かく湿った空気が流入する一方、上空1,500メートル(850hPa)付近や3,000メートル(700hPa)付近では強い南西の風となっていた。下層の南風は、広島市の西方にあたる広島・山口県境付近の山地にぶつかって地形性の上昇気流を起こし、積乱雲を発生させる。これに上空の南西風がぶつかって積乱雲を強化しつつ、風下である北東の方向に押し流した。これにより、積乱雲が連続的に発生する「バックビルディング現象」が起きた。

2014年2月 豪雪

【災害名】 平成26年豪雪(へいせい26ねんごうせつ) 【時期】 2014年2月4日~16日にかけて 【概要】 2月4日正午から6日にかけて冬型の気圧配置となり、下層寒気については「10年に1度」の強い寒波が日本列島に流れ込み全国的に寒い日が続いた。最高気温0℃未満の真冬日となった地点数は、5日・6日と2日連続で400地点を超えた(4日は日付変更直後の深夜から早朝にその日の最高気温を記録した地点が多く、昼になるにつれ気温が著しく低下した)。また、低気圧が急速に発達を続けたため8日・14日と2週続けて広い範囲(関東・甲信越・東北(主に福島県と宮城県)(新潟県の一部も含む)地方を中心)に大雪となった。いずれも冬型の気圧配置によるものではなく南岸低気圧が通過した影響で発生したものであり、上空の気温が低かったことから全国的に雨ではなく雪となった。 【被害状況】 2月7日から9日にかけての降雪前線を伴った低気圧が日本列島の南をゆっくり通過したため中国・四国地方から東北地方にかけて大雪となった。8日3時に1002hPa(四国沖)だった低気圧は9日3時には984hPaに発達、東京都心でも20cm以上の積雪が予測されたため気象庁は7日の夕方に記者会見を開くなど関東地方での大雪が警戒された。7日は西日本を中心に大雪となり岡山市で20年ぶりに9cmを観測した。8日は東海地方で午前中、関東地方で夕方から夜にかけてまとまった雪が降り、千葉(1966年観測開始)で歴代最深となる33cmの積雪を記録するなど、千葉県では北西部や房総丘陵などで積雪が40〜60cmに達した地点もあった。また、東京都千代田区大手町で観測史上8位となる最深積雪27cmを記録するなど東京都心でも1994年以来20年ぶりの積雪20cm以上・45年ぶりの積雪25cm以上を記録。8日の最高気温は平年より5℃以上低くなったところが多く、全国のアメダスのうち393地点では最高気温が0℃未満の「真冬日」となった。翌9日には低気圧が北東に移動し、仙台市で1926年の観測開始以来歴代3位となる最深積雪35cmを記録するなど関東と東北の太平洋側で記録的な大雪となった。これらの大雪は上空の寒気が非常に強かったことから、南岸低気圧がもたらすものとしては比較的軽い乾雪となったところが多く、雪の重みによる被害は比較的少なく済んだ。この非常に強い寒気の影響で北海道では8日朝の冷え込みが強まり、北海道の11地点で最低気温が-30℃以下になった(最低は幌加内町の-33.8°Cで、平年比-18℃)ほか、札幌でも-14.3℃で平年を7℃下回った。2月11日の降雪低気圧が小笠原付近を通過し、その北を弱い気圧の谷が通過したため関東地方に雪雲が広がり、千葉県や茨城県を中心に積雪を観測し東京都心でも一時的に雪が舞った。千葉市では前回の南岸低気圧により11cmの雪が残っていたがその上に雪が降り積もり、一時的に最深積雪が21cmに達した。2月14日から16日にかけての降雪低気圧が日本の南岸を発達しながら通過し、近畿から東北にかけて大雪となり、特に関東内陸や甲信では記録的大雪となった。13日、九州の南で低気圧が発生。九州は、雨中心の天候であったが、気温の低い夜に降水が発生したため、福岡県などでもみぞれを観測した。宮崎県北部や大分県の山沿いでは、気温が低かったため、大雪となった。14日未明には中国・四国でも降雪が始まり、四国では14日午前中まで雪で、高松市や徳島市などでは積雪を観測し、山沿いでは30センチ前後の大雪となった。14日明け方からは、近畿から関東にかけて雪となり、近畿・東海では昼前を中心に、関東・甲信では15日未明を中心に大雪となった。15日未明に関東・甲信越で雪のピークを迎えたが、低気圧が陸地に近づいたため、雪を降らせていた寒気と低気圧の暖気の影響で大気の状態が不安定となり、南岸低気圧としては珍しく、関東南部では雷が発生し、竜巻注意情報も発表された。それを境に関東南部では雨に変わり、朝まで降り続いたが、関東内陸や甲信では寒気が残ったため、朝まで雪が続いた。東北では、昼過ぎにかけて雪となった。西日本九州では山沿いを中心に雪となり、高千穂町は20cm、五ケ瀬町などでは30cmから40cmの積雪を観測した。四国でも積雪となり、降水量も多かったため、2月8日より積雪したところもある。ほぼ全域で、大雪注意報が発表した。近畿・東海南部の海沿いを除きほぼ全域で雪となった。市街地では比較的普段の南岸低気圧の積雪と変わらなかったが、紀伊半島を中心に活発な雲が流れたため約20年ぶりの大雪となり、内陸や山沿いでは20cmから50cm前後の積雪を記録し、これらの地域でも20cm超えは珍しく、大雪警報が発表された。一部の南部を除き、昼過ぎにはいったん雪が止んだが、夜遅くに再び弱い雨や雪が降り、未明にかけて降り続き、奈良県など内陸方面では再び雪が積もり、大阪や京都などでも霙が降った。京都府では、南丹市で23cmの積雪を記録し、南部の一部地域に16年ぶりに大雪警報が発表された。奈良県では、15 cmを観測し、1996年2月以来の大雪となった。五條市では24cm、天川村では30cmを観測し、奈良県では24年ぶりとなる大雪警報が発表された。夜遅くに再び雪が降り、11cmまで減少していた積雪が14cmに増加した。また、日中の気温もほぼ0℃で経過し、最高気温は雪が降る前の未明に観測された1℃であった。三重県南部では、津市で13cm(戦後3位)を観測し、名張市で27cm、伊勢市で25cm前後の積雪となり、伊勢神宮が参拝停止になった。また、三重県南部で初の大雪警報が発表された。その他、京都・大阪で4cm、和歌山で6cm、彦根・名古屋で7cm、岐阜で8cm。また、同じ地域でも場所によって降雪量に大きな差も見られた。関東・甲信2月14日夕方から2月15日朝にかけては特に甲信地方の山梨県で記録的な大雪となり、甲府市(1894年観測開始)で114cm、河口湖(1933年観測開始)でも143cmといずれもそれまでの過去最深積雪を大幅に塗り替える積雪を記録した他、関東地方でも秩父市(1926年観測開始)で98cm、前橋市(1896年観測開始)で73cm、熊谷市(1896年観測開始)で62cm、宇都宮市(1890年観測開始)で32cmと過去最深積雪を記録、東京都心でも8日に続いて東京都千代田区大手町で最深積雪27cmを記録。大手町から1キロ離れた北の丸公園試験観測場では大手町を大きく上回る39cmの積雪となった。この大雪から2日経った2月17日には東シナ海上に再び低気圧が発生。低気圧を伴った前線が14日から16日の低気圧と同様のコースを進む予想だったため、17日の予測では関東地方で過去2回の積雪と同規模かそれを上回る大雪が予想されたが、低気圧は陸地から離れたため雪は観測されなかった。 【特記事項】 積雪量は関東平野部でも30〜80 cm、甲信越地方および奥多摩・秩父・丹沢・箱根・静岡東部などの内陸部では1m以上に達し、山中湖村で最大時には積雪187cmを記録するなど、山間部では2m前後にまで達した。

2013年10月 台風26号

【災害名】 平成25年台風第26号(へいせい25ねんたいふうだい26ごう) 【時期】 2013年10月11日~10月16日にかけて 【概要】 2013年10月11日3時にマリアナ諸島付近で台風26号が発生し、アジア名「ウィパー(Wipha)」と命名された。命名国はタイで、女性の名前に由来する。 また、フィリピン大気地球物理天文局はこの台風について、フィリピン名「ティーノ(Tino)」と命名している。 台風は勢力を強めながら日本の南海上を北西に進み、速度を速めながら北上を続けた。 気象庁は15日午後より、関東地方に接近・上陸する台風としては「10年に一度の強い勢力」として警戒を呼びかけた。 26号は大型で強い勢力のまま暴風域を伴って、16日の明け方に伊豆諸島北部を通過、午前中に房総半島東岸をかすめ、15時に三陸沖で温帯低気圧に変わった。温帯低気圧に変わった後も、北海道をはじめとした地域に影響をもたらした。 【被害状況】 東京都・宮城県・茨城県・栃木県・群馬県・千葉県・静岡県の7都県で合計86棟が全壊、61棟が半壊するという被害が出た。 そのほか、16都県で合計947棟の一部破損、4都県で合計1,884棟の床上浸水、11都県で合計4,258棟の床下浸水の被害があった。 東京都、千葉県、茨城県の14地点で、観測史上最大の24時間降水量を記録した。 特に伊豆大島では、北東-南西方向に伸びる線状降水帯が停滞したため、台風接近前の16日未明から1時間に100ミリ以上の猛烈な雨が数時間降り続き、24時間雨量が800ミリを超える記録的な大雨となった。 この大雨は、関東平野および房総半島から流れ込む冷たい空気と、東から流れ込む台風北側の温かく湿った空気がぶつかって前線が発生したことでもたらされた。 雨量の記録 1時間雨量 東京都大島町(伊豆大島):122.5ミリ(16日3時53分まで) 大島町内では東京都設置の雨量計でも90 - 110ミリの猛烈な雨が観測されている。 24時間雨量 東京都大島町(伊豆大島):824ミリ(16日8時20分まで) 暴風 最大瞬間風速 北海道襟裳岬:46.9m/s(16日12時11分) 千葉県銚子市:46.1m/s(16日8時19分) 宮城県江ノ島:45.5m/s(16日9時32分) 最大風速 北海道襟裳岬:34.9m/s(16日12時36分) 宮城県江ノ島:33.6m/s(16日9時49分) 千葉県銚子市:33.5m/s(16日8時25分) 降雪 台風から変化した温帯低気圧が太平洋を通過した関係で、北海道上空に強い寒気が流れ込み、道内173観測地点のうち74カ所で今季最低気温を観測、 旭川市や帯広市、釧路市では前年より1カ月以上早い初雪を観測し、帯広市では帯広測候所に記録が残る1961年以降最も早い積雪(1センチ未満)を記録、遠軽町白滝では17日0時現在、30センチの積雪となった。 【特記事項】 崖崩れや河川が氾濫危険水位に達する等により、青森県・埼玉県・千葉県の3県、15,677世帯・38,642人に避難指示が出された。 一方、土石流災害による死者が発生した伊豆大島・大島町では、16日2時49分、元町地区の住民から「家の中に泥が流れ込んできた」と警視庁大島警察署に通報があり、現場に赴いた署員が危険を感じたため、3時10分と同26分の2度にわたり町役場に電話、防災無線を流し、避難勧告するよう要請したが、

2013年7月~ 猛暑

【災害名】 2013年の猛暑(2013ねんのもうしょ) 【時期】 2013年(平成25年)7月~8月にかけて 【概要】 山梨県甲州市勝沼では9日に39.1℃、10日に39.2℃、11日に39.3℃、12日に39.1℃と4日連続で日最高気温39℃以上を、群馬県館林市で11日に日最高気温39.5℃を観測した。 また7月22日から25日頃にかけてと7月31日から8月3日にかけては佐賀県や宮崎県、高知県などで高温となった。 8月上旬後半から中旬に北日本から西日本にかけて気温が平年よりかなり高くなり、9日には高知県四万十市江川崎で39.3℃を観測。 高知県四万十市江川崎など同地点の相次ぐ記録的高温の観測については、太平洋高気圧の上から覆いかぶさるようにチベット高気圧が張り出して「2階建て構造」になっている高気圧の内部を吹き下りる空気の流れが強められ、地表付近で圧縮、加熱されて気温を押し上げていることに加え、山越えの乾いた熱い風が吹くフェーン現象が影響しているとの見解が示されている。 18日頃から23日にかけては九州で再び猛烈な暑さとなった。 20日には熊本県天草市牛深で、日最高気温が歴代九州1位タイとなる39.6℃を観測している。 22日には東海地方各地でも38~39℃の猛烈な暑さとなっている。 以降次第に暑さはおさまるが、10月9日に 新潟県糸魚川市で、歴代全国で最も遅い10月としては初めての猛暑日35.1℃を観測した。 月ごとの気温の平年との差は、6月は東日本で+0.9℃、西日本で+0.7℃、南西諸島で+0.9℃。7月は北日本で+1.3℃、西日本で+1.6℃、南西諸島で+0.3℃。 8月は東日本と西日本で+1.3℃、南西諸島は+0.8℃であった。 特に6月中旬の西日本での+2.8℃、7月上旬の北日本での+3.4℃、8月上旬の南西諸島の+1.4℃、8月中旬の北日本の+2.7℃、東日本の+2.4℃、西日本の+2.3℃はいずれも当時の旬別の歴代最高記録である。 なお、西日本では、夏の平均気温は+1.2℃と1946年の統計開始以来最も高かった。 この夏、全国のアメダス観測所927地点のうち125地点(タイ記録も含めると143地点)で日最高気温の記録を更新した。 【被害状況】 日最高気温 (40.0℃以上) 41.0℃ - 高知県四万十市江川崎 (全国歴代1位) 40.7℃ - 山梨県甲府市 (同5位) 40.5℃ - 山梨県甲州市勝沼 (同8位) ※順位は当時のもの。 月平均気温 (30.0℃以上)

2011年8月~ 台風12号

【災害名】 平成23年台風第12号(へいせい23ねんたいふうだい12ごう) 【時期】 2011年8月25日~9月5日にかけて 【概要】 2011年(平成23年)8月25日にマリアナ諸島付近で発生した、発生後徐々に発達しながら北上したが、亜熱帯高圧帯の気圧の尾根と太平洋高気圧によって進路を失い、小笠原諸島近海で停滞。一度西進した後、勢力を保ちながら再びゆっくりと北上し、四国地方へ上陸。 その後も速度を速めることなくほぼ真北へと進路を取り、岡山県・鳥取県を縦断し日本海へと抜けたのち温帯低気圧となった。 温帯低気圧になった後、日本海上でも偏西風による方向転換はなく北海道の西岸沖に向かっていき、北海道南東の海上から近づく台風13号も影響して伊達市で1日の降水量240.5ミリを記録するなど、東北・北海道に大雨を降らせた。 なお、当初の予報では、小笠原諸島からそのまま北上し、関東地方や東北地方の太平洋側を通過するものとみられていた。台風が大型で動きが遅かったため長時間にわたり周辺の非常に湿った空気が流れ込み、西日本から北日本にかけての広い範囲で大雨となった。 特に台風の中心から東側に位置した紀伊半島では総降水量が広い範囲で1,000mmを超え、奈良県上北山村にあるアメダスでは72時間雨量が1976年からの統計開始以来、国内の観測記録を大幅に上回る1,652.5mm、総降水量は1,808.5mmに達し、一部の地域では解析雨量が2,000mmを超えるなど記録的な大雨となり各地で甚大な被害をもたらした。 【被害状況】 全国で98人の死者・行方不明者が出た。これは平成の台風被害としては平成16年台風第23号と並び最悪のものである。他に、負傷者113人、住宅の全壊380棟、半壊3,159棟、一部破損466棟、床上浸水5,499棟、床下浸水16,592棟の被害が出た。和歌山県では災害関連死として6人が認められている。 土砂災害 9月1日、台風の接近に伴う大雨の影響で関東と紀伊半島を中心に被害が発生し、埼玉県本庄市・飯能市・小鹿野町で土砂崩れが発生した。2日には、三重県名張市においても発生した。4日午前0時過ぎには和歌山県田辺市伏菟野地区で土砂崩れが発生して住宅が全壊し、高校生ら5人が死亡した。 土砂に飲み込まれた対岸の集落(川からの高さが約10mの高台)では10月1日現在、5人が死亡し6人が行方不明となっている。田辺市内では熊野地区でも土石流が発生して民家1棟が流され、2人が死亡、1人が行方不明となった。 新宮市南檜杖では土砂崩れで4人が死亡した。 4日午前7時過ぎには、奈良県五條市の大塔町で大規模な土砂災害が発生した。清水地区で高さ180m、幅250mにわたって土砂が崩落し、増水した幅60mの天ノ川を乗り越えて対岸の宇井地区にせりあがり、川から約50mの高さまで達した。 紀伊半島で発生した大規模な土砂崩れについては、雨が地中深くまで浸透して岩盤の深い部分から大きく崩れる深層崩壊であると指摘されている。 他にも紀伊半島では土砂崩れによる道路の通行止めが多数発生し、世界遺産の熊野那智大社では裏山が崩れ、本殿の一部が土砂で埋まる被害が発生した。 河川の氾濫 9月3日、奈良県十津川村野尻地区では、川が土砂でせき止められ氾濫、村営住宅2棟が倒壊し2人が死亡、6人が行方不明となった。 同村長殿地区では、川の増水で家屋が流され全壊、2人が死亡、1人が行方不明になった。 天川村では増水した川に住宅2棟が流され、1人が死亡した。五條市大塔町宇井では、増水した川に民家数軒が流されるなどして、8人が死亡、3人が行方不明となった。 4日には、上流にあたる十津川村などに降り注いだ雨が熊野川に流れ込み、下流の和歌山県新宮市・三重県紀宝町などで氾濫した。新宮市熊野川町日足地区では、熊野川の増水により3人が死亡、熊野川行政局の庁舎3階近くまで浸水した。紀宝町浅里地区では広範囲にわたって水没し、1人が行方不明となった。 しかし、これらの被災地に向かう道路(国道168号など)が土砂災害や浸水などにより寸断された影響で、孤立した集落が多数確認された。十津川村は一時全村孤立した状態となった。 那智川でも河川の氾濫が発生し、那智勝浦町井関・市野々地区では川沿いにある集落の家が押し流され、多数の犠牲者が発生した。また、山体崩壊により、河川上で津波の特性を持つ段波が発生した。 岡山市では、笹ヶ瀬川や足守川で水位上昇により氾濫したため、市内全域の人口の3分の1にあたる23万8595人に避難勧告・指示が出た。さらに、姫路市でも市川が避難判断水位を超えたため9万9732人に避難勧告を発令した。 【特記事項】 8月30日17時から9月5日24 時までの総降水量は、紀伊半島を中心に広い範囲で 1000ミリを超え、奈良県上北山村上北山での総降水量が 1814.5 ミリとなるなど、多いところでは年降水量平年値の6割になった。

2011年4月 福島県浜通り地震

【災害名】 福島県浜通り地震(ふくしまけんはまどおりじしん) 【時期】 2011年(平成23年)4月11日17時16分 【概要】 福島県浜通りの北緯36度56.7分、東経140度40.3分、深さ約6kmを震源とする地震。規模は気象庁マグニチュードはMj7.0、モーメントマグニチュードは、アメリカ地質調査所ではMw6.6(W-phase)から6.7(CMT)、気象庁ではMw6.6(遠地)、6.7(CMT)、Mw6.8(近地)と解析されている。福島県浜通り・中通りと茨城県南部で最大震度6弱を観測した。この地震の発震機構は東北東 - 西南西方向に張力軸を持つ正断層型であり、地殻内で発生した地震(大陸プレート内地震)であるとされる。気象庁は東北地方太平洋沖地震の震源域で発生した余震であるとしたが、プレート境界域における海溝型地震であった東北地方太平洋沖地震とは、地震発生のメカニズムが異なる。東北地方太平洋沖地震の震源域における西南端部での発生ではあるが、大きな海溝型地震に誘発されて内陸部の断層がずれることで発生する誘発地震とみることもできる。茨城県北部や福島県浜通り地方では東北地方太平洋沖地震以前はほとんど地震活動はなかったが、3月11日以降活動が活発化した。この地震活動は大きく南北2つの領域で発生していた。南北2つの領域の間ではこれまで地震がほとんど発生していなかったが、4月11日の地震はこの間を埋める領域で発生した。気象庁は地震発生直後、茨城県沿岸に津波警報を発表し、宮城県・福島県と千葉県の九十九里・外房に津波注意報を出したが、震源域が主に陸域であったため、津波は観測されず、同日18時05分に全て解除した。なお、翌日14時07分には福島県中通りを震源とするマグニチュード6.4の地震が発生し、福島県浜通り(いわき市)・茨城県北部(北茨城市)で震度6弱の揺れを観測した。 【被害状況】 北は北海道野付郡別海町、西は鳥取県境港市で震度1を観測するなど、北海道から中国地方にかけて震度1以上の揺れを観測した。また、防災科学技術研究所が設置した強震観測網によれば北茨城市で震度6弱相当(計測震度5.8)の揺れを観測したほか、気象庁の推計(推計震度分布)でいわき市の一部で震度6強もしくは震度7相当の揺れがあったとみられている。 震度5弱以上を観測した気象庁の発表地点震度6弱福島県 いわき市錦町・古殿町松川新桑原・中島村滑津茨城県 鉾田市当間震度5強福島県 いわき市小名浜・いわき市三和町・浅川町浅川・平田村永田・棚倉町棚倉中居野・天栄村下松本・鏡石町不時沼・白河市新白河・白河市東茨城県 鉾田市鉾田・鉾田市汲上・かすみがうら市上土田・筑西市舟生・小美玉市上玉里・北茨城市磯原町・高萩市安良川・日立市助川小学校栃木県 那須町寺子震度5弱宮城県 蔵王町円田・岩沼市桜・涌谷町新町裏山形県 白鷹町荒砥・中山町長崎・山辺町緑ヶ丘・上山市河崎福島県 会津美里町新鶴庁舎・柳津町柳津・湯川村笈川・会津坂下町市中三番甲・猪苗代町千代田・西会津町登世島・双葉町新山・楢葉町北田・いわき市平四ツ波・本宮市本宮・福島伊達市霊山町・田村市大越町・田村市都路町・小野町中通・小野町小野新町・玉川村小高・石川町下泉・鮫川村赤坂中野・矢祭町東舘・棚倉町棚倉舘ヶ丘・矢吹町一本木・泉崎村泉崎・西郷村熊倉・二本松市油井・須賀川市八幡山・須賀川市長沼支所・白河市郭内・白河市八幡小路・白河市表郷・郡山市朝日・郡山市開成・郡山市湖南町茨城県 つくばみらい市加藤・常総市新石下・行方市山田・稲敷市役所・坂東市馬立・坂東市山・阿見町中央・つくば市天王台・つくば市研究学園・石岡市柿岡・石岡市石岡・石岡市八郷・土浦市常名・土浦市下高津・土浦市藤沢・小美玉市小川・小美玉市堅倉・城里町石塚・城里町阿波山・那珂市福田・那珂市瓜連・常陸大宮市北町・常陸大宮市野口・大子町池田・茨城町小堤・ひたちなか市南神敷台・ひたちなか市東石川・笠間市中央・高萩市本町・日立市役所・日立市十王町友部・水戸市千波町・水戸市中央栃木県 下野市小金井・芳賀町祖母井・宇都宮市白沢町・大田原市本町・大田原市湯津上埼玉県 春日部市金崎・春日部市谷原新田新潟県 阿賀野市岡山町福島県中通り地震福島県浜通り地震の翌日である、2011年4月12日の午後2時7分ごろには、福島県中通りの深さ15kmを震源とする、マグニチュード6.4の地震が発生し、福島県と茨城県で震度6弱の強い揺れを観測した。前述の通り、この地震は、前日に浜通りで起きた地震(マグニチュード7.0)とは違い、逆断層型の地震であった。震度5弱以上を観測した地点は以下の通り。震度5弱以上が観測された気象庁の発表地点震度6弱福島県 いわき市三和町・いわき市錦町茨城県 北茨城市磯原町震度5強福島県 浅川町浅川・古殿町松川新桑原・いわき市小名浜茨城県 高萩市本町震度5弱福島県 郡山市開成・白河市新白河・白河市東・須賀川市八幡山・天栄村下松本・中島村滑津・石川町下泉・平田村永田・田村市都路町・いわき市平四ツ波・楢葉町北田茨城県 日立市助川小学校・日立市役所・日立市十王町友部・高萩市安良川・ひたちなか市南神敷台・那珂市福田・小美玉市上玉里・鉾田市当間なお、気象庁の推計震度分布図によれば、いわき市の一部では、震度6強や震度7を観測したとみられる。この地震で、1人が負傷した。 【特記事項】 震動による顕著な家屋被害は無く地表地震断層の直上の建物では最大変位80cmの変位による変形や傾斜などが発生したほか、土砂崩れが発生するなどして、高校生などを含む4人が死亡し、負傷者を10人出した。また、翌日14時07分に発生した地震においても、負傷者を1人出した。

2011年3月 長野県北部地震(栄村大震災)

【災害名】 2011年(平成23年)の長野県北部地震(ながのけんほくぶじしん) 【時期】 2011年3月12日3月12日3時59分 【概要】 発震機構は、北西 - 南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、地殻内の浅い大陸プレート内地震。3月12日9時までの余震分布域は、本震を中心として北北東方向 - 南南西方向に約17kmの距離と深さ4kmから10kmの地域に集中している。 十日町断層帯と信濃川断層帯の中間に位置する地域での変位が大きく、既知の活断層の活動ではない。 なお、断層の方向を正断層と考える研究もある。 また、4月12日には3月12日の震央から南に20km離れた地点でM5.6、震源の深さ0km、最大震度5弱の地震が発生した。この地震の発震機構解は北北西-南南東圧縮の横ずれ断層型で別の断層の活動と考えられる。 【被害状況】 北は秋田県仙北市、西は兵庫県西宮市で震度1を観測するなど、東北地方から近畿地方にかけて震度4 - 震度1の揺れを観測した。また、気象庁の推計震度分布図によると、長野県と新潟県の県境において、比較的広い範囲で震度7相当の揺れがあったとみられている。 長野県栄村の被害総額(住宅を除く)、55億円。新潟県の公共土木施設の被害額、37億円。 死者は栄村で3名、いずれも地震後の避難生活中の災害関連死と認定されている。怪我人は新潟県内31名、長野県内15名、ただし軽傷。 秋山地区を除く栄村全域(804世帯2042人)に避難指示(村の総人口の90%)、一時約1700名余が避難。 秋山地区(秋山郷)で道路寸断により約300名が一時孤立した。 地震動により雪崩が誘発され、33棟が全壊、152棟が半壊。 栄村のほぼ全域で断水したが、3月19日までに復旧。ただし、森地区の「森簡易水道」は水源地での土砂崩落により、復旧は絶望的。 中条川上流部・東入沢川沿で山崩れによる河道閉塞と土石流が発生。 大巻川流域で全層雪崩・斜面崩壊 3箇所。 各地の震度 震度5弱以上以上の揺れを観測した地域は以下の通り。 震度6強 長野県 栄村北信 震度6弱 新潟県 十日町市上山 十日町市松之山 十日町市松代 津南町下船渡 震度5強 群馬県 中之条町小雨 新潟県 上越市三和区井ノ口 十日町市水口沢 震度5弱 新潟県 上越市安塚区安塚 上越市牧区柳島 上越市頸城区百間町 上越市清里区荒牧 上越市大島区岡 長岡市小国町法坂 長岡市山古志竹沢 柏崎市高柳町岡野町 十日町市高山 十日町市千歳町 出雲崎町米田 湯沢町神立 刈羽村割町新田 南魚沼市六日町