2011年3月 東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)

【災害名】 東北地方太平洋沖地震(とうほくちほうたいへいようおきじしん) 【時期】 2011年(平成23年)3月11日14時46分 【概要】 この地震は、2011年3月11日14時46分18.1秒、牡鹿半島の東南東約130 kmの太平洋(三陸沖)の海底(北緯38度06.2分、東経142度51.6分)、深さ約24 kmを震源として発生した。 太平洋プレートと北アメリカプレートの境界域(日本海溝付近)における海溝型地震で、震源域は岩手県沖から茨城県沖にかけての南北約500 km、東西約200 km、およそ10万平方キロの広範囲にわたった。 地震の規模を示すマグニチュードはMw9.0 - 9.1で、大正関東地震(1923年)のMj7.9, Mw8.2を上回る日本観測史上最大であるとともに、世界でもスマトラ島沖地震(2004年)以来の規模で、1900年以降でも4番目に大きな超巨大地震であった。 地震によって大規模な津波が発生した。最大で海岸から6 km内陸まで浸水、岩手県三陸南部、宮城県、福島県浜通り北部では津波の高さが8 - 9 mに達し、明治三陸地震(1896年)の津波を上回る最大溯上高40.1 m(岩手県大船渡市)を記録するなど、震源域に近い東北地方の太平洋岸では、その急峻な地形もあいまって高い津波が甚大な被害をもたらした。津波は関東地方の太平洋岸でも被害をもたらしたほか、環太平洋地域を中心に世界の海岸に達した。 また、宮城県北部で最大震度7、岩手県から千葉県にかけて震度6弱以上を観測するなど広範囲で強い揺れとなり、関東地方の埋立地で大規模な液状化現象が発生した。 一方東北太平洋岸では、地盤沈下により浸水被害が長期的に続いている。余震も過去例に無いペースで発生したうえ、通常の余震域外でも地震活動が活発化している。 津波、液状化、建造物倒壊など、東北の岩手県、宮城県、福島県の3県、関東の茨城県、千葉県の2県を中心とした被害は大きく、この地震による死者・行方不明者計約1万8,500人の大半は東北の3県が占めた。 また、発電施設被害による大規模停電や一連の震災により、日本全国および世界に経済的な二次被害がもたらされた。 一方、地震と津波を要因とする人災により福島第一原子力発電所事故が発生し、10万人を超える被災者が屋内退避や警戒区域外への避難を余儀なくされた。 警戒区域外でも、放射性物質漏れによる汚染が起きているほか、日本の原子力発電所の再稼働問題、電力危機なども発生した。 【被害状況】 「東日本大震災」と命名された本地震による日本国内の被害は、地震そのものによる被害に加えて津波・火災・液状化現象・福島第一原子力発電所事故・大規模停電など多岐に渡り、1都9県が災害救助法の適用を受けた。 警察庁発表による死者および届出があった行方不明者の数は合わせて1万8,434人で、津波被害を受けた東北地方の太平洋沿岸を中心に関東地方や北海道でも死傷者が出る事態となっている。 震度6弱以上が観測された気象庁の発表地点 震度7 宮城県 栗原市築館 震度6強 宮城県 涌谷町新町・栗原市若柳・栗原市高清水・栗原市一迫・登米市米山町・登米市南方町・宮城美里町木間塚・大崎市古川三日町・大崎市古川北町・大崎市鹿島台・大崎市田尻・名取市増田・蔵王町円田・宮城川崎町前川・山元町浅生原・仙台宮城野区苦竹・石巻市桃生町・塩竈市旭町

2009年8月 駿河湾地震

【災害名】 駿河湾地震(するがわんじしん) 【時期】 2009年(平成21年)8月11日5時7分 【概要】 静岡県御前崎の北東35km沖の駿河湾の深さ23kmの地点を震源とし、気象庁マグニチュード(M)は6.5、モーメントマグニチュード(Mw)は6.3。圧縮軸は北北東-南南西(NNE - SSW)方向の横ずれ成分を持つ逆断層型で、フィリピン海プレート内部で発生した地震である。静岡県伊豆市、焼津市、牧之原市、御前崎市では震度6弱を記録した。焼津港、御前崎港では津波を観測した。国土地理院の観測結果によると、この地震によって、焼津市は西へ2センチメートル、藤枝市は西北西へ1センチメートル移動した。 【被害状況】 駿河湾地震による人的被害は1都4県と比較的広範囲にわたって発生しており、死者1名、負傷者319名を記録した。静岡市駿河区では、地震により積まれた書籍が崩れ、それに埋もれて窒息死した女性が発見された。揺れが激しかった焼津市や牧之原市では、骨折などで被災者が重傷を負う被害が発生した。震度5弱以上を観測した気象庁の発表地点震度6弱静岡県 御前崎市御前崎・牧之原市相良・牧之原市静波・焼津市宗高・伊豆市市山震度5強静岡県 静岡菊川市赤土・静岡菊川市堀之内・牧之原市鬼女新田・袋井市浅名・静岡清水区庵原町・静岡葵区駒形通・静岡駿河区曲金・富士宮市野中・焼津市東小川・焼津市本町・伊豆の国市田京・伊豆の国市長岡・西伊豆町仁科・松崎町江奈・松崎町宮内・東伊豆町奈良本震度5弱長野県 泰阜村役場静岡県 静岡葵区峰山・静岡葵区追手町県庁・静岡葵区追手町市役所・掛川市西大渕・掛川市三俣・袋井市新屋・御前崎市池新田・磐田市福田・吉田町住吉・藤枝市岡部町岡部・島田市中央町・島田市川根町家山・島田市金谷代官町・長泉町中土狩・沼津市戸田・伊豆の国市四日町・函南町平井・南伊豆町入間・南伊豆町下賀茂・河津町田中・下田市中・下田市東本郷・東伊豆町稲取北は宮城県栗原市、山形県酒田市、西は島根県大田市、広島県呉市で震度1-2を観測するなど、東北地方から中国地方、四国地方にかけて震度1以上の揺れを観測した。また、駿河湾に面している市町村で唯一富士市だけが震度4と遠く離れた東京都並みに低い揺れであった。なお、富士市の内陸に位置する富士宮市は震度5強であった。今回の地震は揺れの激しさに加え発生時刻が早朝だったため、家具の倒壊により就寝中の住民が死傷すると懸念されたが、死傷者数は比較的少ないとされている。一例として、岩手・宮城内陸地震で震度6弱を記録した被災地と、今回震度6弱を記録した焼津市を比較すると、人口1万人あたりの負傷者数は4分の1程度にとどまっている。この理由について、静岡県では家具の固定化率が63%に達していたため死傷者が少なかったと指摘されている。駿河湾地震により、住宅6棟が半壊、8,672棟が一部破損した。しかし、最大震度6弱を記録するなど比較的強い揺れが観測されたにもかかわらず、全壊した家屋はゼロだった。家屋での被害が少なかった1つの理由として、耐震対策が徹底されていた点が指摘されている。 【特記事項】 その後の地震活動としては2011年8月1日23時58分頃に、駿河湾でM6.2の地震が発生した。2009年の地震と同様に沈み込むフィリピン海プレート内部で発生した地震とみられる。震源の深さは約20km、震央は北緯34.7度、東経138.6度で、2009年の地震より伊豆半島寄りの比較的近い場所に位置していた。この地震により静岡県東伊豆町奈良本、焼津市本町、静岡市駿河区曲金で震度5弱を観測した。気象庁はこの地震と2009年の地震、あるいは2011年3月に発生した東北地方太平洋沖地震との関連について「はっきりとした関連は見られない」としている。また東海地震との関連については、気象庁は「地震の種類が異なり、東海地域における地殻変動を観測しているひずみ計にも異常がないことから、想定される東海地震と直接の関係はなく直ちに結びつくものではない」とし、東京大学名誉教授・東海地震判定会会長の阿部勝征は「想定される東海地震震源域より東側で起きており、地震の規模からも東海地震と直接の関係はないだろう」としている。

2008年7月 岩手県沿岸北部地震

【災害名】 岩手県沿岸北部地震(いわてけんえんがんほくぶじしん) 【時期】 2008年7月24日午前0時26分 【概要】 岩手県洋野町において当初最大震度6強を発表し後に6弱に訂正され、東北地方の太平洋側で震度6弱から5弱、日本海側で最大で震度4の強い揺れを観測した。その後の10月29日、気象庁は洋野町に設置した震度計に数ミリの隙間があったことから、洋野町大野の震度を「震度6強」から「不明」に訂正すると発表し、この地震の最大震度は青森県八戸市、五戸町、階上町、岩手県野田村などで観測した震度6弱となった。被害の特徴として、同じ規模の地震と比較して、建物被害が少ないことが挙げられる。 【被害状況】 消防庁のまとめによると、死者1名、負傷者211名、住家の全壊1棟、一部損壊379棟、火災2件となっている(2009年1月13日現在)。岩手県、青森県を中心に、北海道から千葉県までの8道県で被害が出た。各地の震度震度6弱青森県 八戸市、五戸町、階上町岩手県 野田村震度5強青森県 東北町、南部町、東通村岩手県 宮古市、久慈市、山田町、普代村、洋野町種市、大船渡市、釜石市、大槌町、二戸市、一戸町、八幡平市、軽米町、北上市、一関市、平泉町、奥州市宮城県 気仙沼市、涌谷町、栗原市、美里町、大崎市、石巻市震度5弱青森県 十和田市、三沢市、野辺地町、七戸町、おいらせ町岩手県 岩泉町、田野畑村、川井村、陸前高田市、住田町、盛岡市、葛巻町、滝沢村、九戸村、矢巾町、紫波町、花巻市、遠野市、金ケ崎町、藤沢町宮城県 色麻町、登米市、南三陸町、岩沼市、亘理町、東松島市震度4北海道 函館市、様似町、浦幌町、広尾町、釧路市、標津町、別海町青森県 平内町、つがる市、外ヶ浜町、藤崎町、田舎館村、六戸町、横浜町、六ヶ所村、三戸町、田子町 新郷村、むつ市、大間町、佐井村岩手県  雫石町 岩手町 西和賀町宮城県 加美町 本吉町 名取市 角田市 蔵王町 大河原町 村田町 柴田町 川崎町 丸森町 山元町 仙台市青葉区 仙台市宮城野区 仙台市若林区 仙台市太白区 仙台市泉区 塩竈市 利府町 大和町 大郷町 大衡村 女川町秋田県 井川町 秋田市 由利本荘市 大館市 鹿角市 小坂町 横手市 湯沢市 美郷町 大仙市山形県 鶴岡市 酒田市 最上町 村山市 中山町福島県 福島市 須賀川市 二本松市 桑折町 国見町 川俣町 玉川村 古殿町 田村市 伊達市 本宮市 いわき市 相馬市 楢葉町 富岡町 大熊町 双葉町 浪江町 葛尾村 新地町 南相馬市茨城県 日立市 常陸太田市地震発生が深夜であったため、被害情報が錯綜した。一部の報道特番では、死者数十人・家屋倒壊数百棟というような情報が流れた。後に、これは内閣府の被害想定情報がそのまま報道されたことがわかり、訂正した。青森県、岩手県、宮城県を中心に、建物の天井落下、窓ガラスの破損、停電、断水、落石による道路の通行止め、列車の運休などの被害が報告されており、負傷者も出た。被害の傾向として、家具の転倒などによる被害が見られなかった一方、避難時に転倒するなどして負傷した例が多かったことが挙げられる。この原因として、揺れが長かったこと、深夜の発生であったことなどが指摘されている。被害が少なかったのは、観測された地震波のうち最も強い波は周期1秒~0.1秒と短く、木造家屋などが壊れやすい周期ではなかったことが主因だと考えられている。そのため、震度6強で想定される被害よりもはるかに少ない被害ですんだ。また、一帯は13年前に三陸はるか沖地震を始め、過去に何度か災害に遭遇していることにより、住民の防災意識が総じて高く、それに対応するため堅牢な住宅が多いことも被害が少なかった一因として挙げられている。 【特記事項】 その後気象庁は、震度6強を観測した地点の住民に聞き取り調査を行った。その結果、「(揺れている最中は)這って歩くこともできなかった」という住民が多くいたため、洋野町をはじめ、震度6弱以上を観測した6地点の地震計に問題はないと発表した。だが、2つある洋野町の地震計のうち1つがずれている可能性があるとして、臨時の地震計を設置した。ちなみに、「揺れている最中は這って歩くことができない」揺れは、震度7に匹敵する強い揺れである(震度6強は「這わないと動けない」ほどの揺れになる)。しかし、震度6強を観測した洋野町大野からわずか70メートルしか離れていない臨時の地震計とデータを比較したところ、平均で計測震度1.6の誤差が出ていたことがわかり、震度速報などに利用するには適切でないと判断し、洋野町大野の震度を「震度6強」から「不明」とし、またこの地震計の情報を利用しないこととなった。気象庁の設置環境認定では、Bランク(初動対応の判断に利用する即時の震度情報で発表するには、問題のない設置環境と判断される)だった。今後、全国の震度計の設置環境の見直しが重要視されている。

2008年6月 岩手・宮城内陸地震

【災害名】 岩手・宮城内陸地震(いわて・みやぎないりくじしん) 【時期】 2008年(平成20年)6月14日午前8時43分 【概要】 岩手・宮城内陸地震(いわて・みやぎないりくじしん)は、2008年(平成20年)6月14日午前8時43分(JST)頃に岩手県内陸南部(仙台市の北約90km、東京の北北東約390km)で発生した、マグニチュード7.2 の大地震。岩手県奥州市と宮城県栗原市において最大震度6強を観測し、被害もこの2市を中心に発生した。被害の特徴として、同じ規模の地震と比較して、建物被害が少なく土砂災害が多いことが挙げられる。 【被害状況】 この地震により17名が死亡、6名が行方不明となり、負傷者は426名であった。広範囲にわたり揺れが感じられ、震度3以上を観測した地域は宮城県、岩手県、秋田県、山形県、福島県、青森県、栃木県、茨城県、新潟県、千葉県、埼玉県、東京都、北海道、神奈川県、群馬県である。震度5弱以上が観測された気象庁の発表地点震度6強岩手県 奥州市衣川区宮城県 栗原市一迫震度6弱岩手県 奥州市胆沢区宮城県 栗原市栗駒・栗原市築館・栗原市高清水・栗原市鶯沢・栗原市金成・栗原市志波姫・栗原市花山・大崎市古川三日町・大崎市鳴子・大崎市古川北町・大崎市田尻震度5強秋田県 湯沢市川連町・東成瀬村椿川・東成瀬村田子内岩手県 北上市二子町・一関市山目・金ケ崎町西根・平泉町平泉・奥州市水沢大鐘町・奥州市江刺・奥州市前沢宮城県 宮城加美町宮城・涌谷町新町裏・栗原市若柳・登米市迫町・登米市南方町・宮城美里町北浦・宮城美里町木間塚・大崎市松山・大崎市岩出山・名取市増田・仙台宮城野区苦竹・仙台若林区遠見塚・利府町利府震度5弱 秋田県 横手市安田柳堤地内・横手市中央町・横手市増田町増田・横手市平鹿町浅舞・横手市大森町・横手市十文字町・横手市山内土渕・横手市大雄・湯沢市沖鶴・湯沢市横堀・湯沢市皆瀬・羽後町西馬音内・秋田美郷町秋田・大仙市大曲花園町・大仙市高梨岩手県 北上市柳原町・遠野市宮守町・一関市舞川・一関市花泉町・一関市千厩町・一関市室根町・藤沢町藤沢・西和賀町川尻・奥州市水沢佐倉河宮城県 宮城加美町小野田・宮城加美町宮崎・色麻町四竈・栗原市瀬峰・登米市中田町・登米市米山町・大崎市三本木・大崎市鹿島台・仙台空港・角田市角田・岩沼市桜・蔵王町円田・大河原町新南・宮城川崎町前川・仙台青葉区大倉・仙台青葉区作並・仙台青葉区雨宮・仙台宮城野区五輪・仙台泉区将監・石巻市前谷地・石巻市桃生町・大衡村大衡山形県 最上町向町福島県 新地町谷地小屋震源の浅い内陸直下型地震の被害の傾向として、建物の倒壊などによる被害が少なく、栗駒山周辺をはじめとした山体崩壊や土砂崩れ、河道閉塞が多かった。この地震では震度5強以上が広範囲で観測されたが、0.5 秒以下の極短周期成分の震動が卓越し、建物の大きな被害を引き起こすとされる 1-2 秒の震動成分が小さかった事が、大きな震度の割に建物被害の少かった原因と考えられている。 【特記事項】 この地震を発生させた断層は、地震発生当時には存在が確認されていなかったが、詳細な調査を行った結果、余震域東縁で断続的な約20kmの地震地表断層の出現を確認した。多くの地表断層は西側上がりの上下変位と東西短縮の変位で、最大変位量は50cm程度であった。人工衛星による合成開口レーダー(SAR) 画像の解析によると、岩手県奥州市胆沢区付近から、宮城県栗原市西北部の花山周辺に至る北北東-南南東方向の長さ約30km、幅約10kmの帯状の地域に断続的に地殻変動の集中を示す状態が見いだされた。断層の全ての区間が一回で一様に活動した地震では無く、最初は深いところで滑り数日かけて表層部が余効的に動いたと解析されている。

2008年5月 茨城県沖地震

【災害名】 茨城県沖地震(いばらきけんおきじしん) 【時期】 2008年(平成20年)5月8日1時45分 【概要】 2008年(平成20年)5月8日1時45分に北緯36度13.7分、東経141度36.5分で発生した地震。 震源の深さ約51km、地震の規模はマグニチュード (Mj) 7.0、モーメントマグニチュード (Mw) 6.9。 茨城県水戸市・栃木県茂木町で震度5弱を観測した。 また前震活動が活発で5月7日夕方ごろからM4から M5の地震が発生し、直前の1時2分には、北緯36.23度・東経 141.95度でM6.4、震源の深さ約60km、1時16分にはM6.3、震源の深さ18 kmの地震が発生している。 ともに、プレート間地震。2つのアスペリティのうち前震で東側の領域、本震で西側の領域が破壊されたとみられる。 【被害状況】 負傷者6人 震度4以上を観測した市町村 震度5弱 茨城県 水戸市 栃木県 茂木町 震度4 宮城県 栗原市 登米市 美里町 大崎市 角田市 岩沼市 蔵王町 大河原町 丸森町 石巻市

2007年7月 新潟県中越沖地震

【災害名】 新潟県中越沖地震(にいがたけんちゅうえつおきじしん) 【時期】 2007年(平成19年)7月16日10時13分23秒 【概要】 新潟県中越沖地震(にいがたけんちゅうえつおきじしん)は、2007年(平成19年)7月16日10時13分23秒 (JST) に発生した、新潟県中越地方沖を震源とする地震である。 地震の規模を示すマグニチュード (M) は6.8、最大震度は6強。中越地方では2004年(平成16年)の新潟県中越地震以来のマグニチュード6以上および震度5弱以上を観測した地震となった。 【被害状況】 死者15名、負傷者2,346名、住家全壊1,331棟、半壊5,710棟、一部破損37,633棟、建物火災1件 新潟県 死者:15名(直接死11名、災害関連死4名) 重軽傷者:2,316名 住家全壊:1,331棟 住家半壊:5,710棟 住家一部損壊:37,277棟 非住家被害:31,590棟 長野県 重軽傷者:29名 住家一部損壊:356棟 富山県 軽傷者:1名 震度5弱以上を観測した気象庁の発表地点 震度6強 新潟県 長岡市小国町法坂・柏崎市中央町・柏崎市西山町池浦・刈羽村割町新田 長野県 飯綱町芋川 震度6弱 新潟県 上越市柿崎区柿崎・越市吉川区原之町・上越市三和区井ノ口・長岡市中之島・長岡市上岩井・長岡市山古志竹沢・柏崎市高柳町岡野町・小千谷市土川・出雲崎町米田・出雲崎町川西 震度5強 新潟県 上越市大手町・上越市五智・上越市安塚区安塚・上越市浦川原区釜淵・上越市牧区柳島・上越市大潟区土底浜・上越市頸城区百間町・上越市大島区岡・長岡市千手・長岡市浦・長岡市与板町与板・長岡市小島谷・三条市新堀・小千谷市城内・十日町市高山・十日町市千歳町・十日町市松代・南魚沼市六日町・燕市分水桜町

2007年3月 能登半島地震

【災害名】 能登半島地震(のとはんとうじしん) 【時期】 2007年(平成19年)3月25日9時41分58秒 【概要】 穴水町、輪島市、七尾市で最大震度6強を観測し、石川県、富山県、新潟県で震度5弱以上の揺れを観測した。 計測震度の最大地点は輪島市門前町で、震度7(計測震度6.5以上)に近い計測震度6.4を観測した。 石川県内で震度6を観測したのは、観測開始以来初であり、1922年から2019年現在まで、県内で震度6以上を記録した唯一の地震である。 富山県で震度5を観測したのは、1930年(昭和5年)の大聖寺地震以来77年ぶり、観測史上2回目。 国土地理院のGPSの観測で、震源となった断層が右横ずれ成分を含む逆断層で、海底から陸地の一部に跨がる14km程の従来知られていなかった断層帯と判明した。 海上保安庁と産業技術総合研究所は地震発生後の海底音波探査により、この地震で動いたとみられる長さ18km以上の活断層を発見した。 【被害状況】 石川県輪島市で倒れてきた石灯籠で頭を強打した女性が死亡したほか、石川県・富山県を中心に負傷者が356人出た。 震源を中心に家屋倒壊・道路崩落や、電気・ガス・水道などのライフラインの寸断が発生し、震源地に近い沿岸部や富山県の氷見漁港などでも液状化現象が発生した。 被害統計 死者:1人 負傷者:356人 全壊家屋:686棟 半壊家屋:1,740棟 一部損壊家屋:26,958棟 震度5弱以上が観測された気象庁の発表地点 震度6強 石川県 穴水町大町・輪島市鳳至町・輪島市門前町走出・七尾市田鶴浜町 震度6弱 石川県 輪島市河井町・能登町宇出津・能登町松波・中能登町末坂・中能登町能登部下・志賀町富来領家町・志賀町香能・志賀町末吉千古 震度5強 石川県 七尾市本府中町・七尾市袖ヶ江町・珠洲市正院町 震度5弱 新潟県 刈羽村割町新田 富山県 射水市本町・射水市戸破・射水市加茂中部・小矢部市水牧・氷見市加納・舟橋村仏生寺・滑川市寺家町・富山市新桜町・富山市婦中町笹倉 石川県 珠洲市大谷町・かほく市浜北・宝達志水町子浦・羽咋市柳田町・羽咋市旭町・中能登町井田・能登町柳田

2005年12月~2006年2月 平成18年豪雪

【災害名】 平成18年豪雪(へいせい18ねんごうせつ) 【時期】 2005年(平成17年)12月から2006年(平成18年)2月にかけて 【概要】 気象庁は当初2005年(平成17年)秋ごろの寒候期予報や3か月予報などにおいて全国的に気温は平年並みか高いと予想。暖冬となる見込みであった。 しかし予想に反し2005年(平成17年)12月上旬に早くも強い寒気が流れ込んだのを皮切りにその後も次々と断続的に寒気が流れ込むようになり、急速に発達する低気圧の通過と重なり日本各地に大雪、寒波、暴風をもたらした。 【被害状況】 被害の状況として、スリップや衝突などによる交通事故、落雪による事故のほか高齢者を中心に全体の7割を占めた雪おろし中の事故(転落、心臓発作など)による死者が目立った。 雪崩による死者は2人と他の豪雪と比較して少ない。 人的被害 死者152人 重傷者902人 軽傷者1,243人 新潟県32人、秋田県22人、北海道18人、福井県14人、山形県13人など全国で合計152人の死者が出た。負傷者は合計で2,100人を超えた。 家屋被害 家屋全壊18件 家屋半壊28件 一部損壊4,667件 床上浸水12件 床下浸水101件 広島県では一部損壊の住宅が1,000件を超えたのをはじめ滋賀県、島根県、岐阜県、秋田県、京都府、新潟県などで建物への被害件数が多かった(以上消防庁のまとめによる)。 自然災害 雪崩93件 地すべり13件 土石流5件 がけ崩れ13件 (国土交通省のまとめによる) 北海道地方から北陸地方・山陰地方の山間部では多くの地域で冬(12月 - 2月)の降雪量や最深積雪が平年を上回った。 特に新潟県の山間部にある津南町では4mを超える最深積雪を記録したのをはじめ北海道、東北地方、北陸地方、群馬県、岐阜県、長野県、中国地方などの山間部や内陸部を中心として記録的な最深積雪となる所が多く12月の時点で歴代最深積雪の記録を塗り替えた地点もあった。 金沢市、福井市、鳥取市など日本海側沿岸部に位置する地域では最深積雪こそ平年並あるいは平年を上回るところが多かったものの冬期間の降雪量は平年並あるいは平年を下回るところが多かった。 12月は日本海側山間部から内陸部、沿岸部の多くの地点で降雪量が平年を大きく上回ったものの1月中旬以降は冬型の気圧配置が長続きせず高温となる時期も多くなったことや冬型の気圧配置となっても山間部中心の降雪となったため日本海側沿岸部では1月、2月の降雪量は平年を下回り、この地域では2月中旬以降は融雪も進み3月を迎える前に積雪がなくなる地点も多かった。 山間部の地域でも1月中旬以降は強い降雪のピークは超えたが、代わりに気温の変動などによる雪崩被害も増加した。 新潟市や東北地方太平洋側の仙台市や福島市でも冬の降雪量や最深積雪は平年並、あるいは平年を下回った。 この12月は平年の「寒気が南下してくる限界」よりも南に寒気が流れ込んだため九州地方、四国地方、中国地方瀬戸内側、近畿地方、東海地方など平年は雪が少ない地域でも大雪となった。

2005年8月 平成17年台風第14号

【災害名】 平成17年台風第14号(へいせい17ねんたいふうだい14ごう) 【時期】 2005年8月29日~9月8日にかけて 【概要】 この台風は、大東島地方に接近してから山陰沖へと抜けるまで、広い暴風域を維持したまま比較的遅い速度で進んだため、長時間にわたって暴風や高波、大雨が続いた。 3日から8日までの総雨量は、九州・中国・四国地方の各地で9月の月間平均雨量の2倍を上回り、宮崎県では1,000mmを超えた。 宮崎県南郷村神門では1,322mm (月間平均雨量比2.9倍) 、えびの市で1,307mm (月間平均雨量比2.8倍)、鹿児島県肝属郡肝属町肝属前田で956mm (月間平均雨量比3.2倍) に達した。 また、九州・中国・四国の各地方と北海道の62地点では、それまでの日雨量の記録を更新したほか、台風の接近・上陸に伴い各地で暴風、高波となった。 4日には南大東島で最大瞬間風速55.6m/s、6日には鹿児島県種子島で同59.2m/s、屋久島で同58.1m/sが観測された。 この台風によって、熊本県・大分県・宮崎県・鹿児島県を中心に九州~東北地方で土砂災害、大雨による浸水などが起きた。また、岡山県・広島県・香川県では高潮による床上・床下浸水も発生した。 人的被害は、宮崎県を中心に全国で死者・行方不明者29人に達した。台風が日本の南海上を移動中の3日から4日にかけ、台風から本州上に停滞する秋雨前線に向かって暖かく湿った空気が流入。 3日には鳥取県・京都府・新潟県・福島県で1時間に約60mmの非常に激しい雨が降り、鳥取県では日雨量が100mmを超えた。 4日夕方から5日未明にかけては東京都・埼玉県・神奈川県など首都圏でも、大気の状態が不安定となって雨雲が急速に発達し、東京都と埼玉県では局地的に1時間に100mmを超える猛烈な雨となった。 この期間の降水量は、東京都が設置した雨量計によるデータでは杉並区下井草で264mm、久我山で240mm、練馬区上石神井で240mmに達した。 【被害状況】 日本各地の被害状況 ※死傷者が出た被害、その他主な被害のみ記載 九州地方 宮崎市で竜巻が発生、家屋や車などを破壊。 鹿児島県垂水市でがけ崩れと鉄砲水で4人死亡。 熊本県阿蘇市の豊肥本線が倒木にぶつかりガラスにひびが入る。 宮崎県三股町で土砂崩れ、住宅が倒壊。2人死亡。 宮崎県北部の高千穂鉄道高千穂線にある五ヶ瀬川に架かる二つの鉄橋が崩落。 復旧を断念し、3年後の2008年12月で全線が廃線となった。 宮崎県椎葉村で土砂崩れ、民家3棟が全半壊。1人死亡、2人行方不明。 宮崎県高千穂町で土砂崩れ、家屋が倒壊。3人死亡、1人行方不明。 宮崎県の大淀川・五ヶ瀬川・小丸川流域で浸水が多数発生。宮崎県内の床上・床下浸水は2,253戸。 特に高岡町、宮崎市小松、延岡市での被害が大きい。 熊本県五木村築切の国道445号が数ヵ所で損壊した。 四国地方 瀬戸内海沿岸の都市では、9月6日から7日未明にかけて、高潮による被害が出た。

2005年3月 福岡県西方沖地震

【災害名】 福岡県西方沖地震(ふくおかけんせいほうおきじしん) 【時期】 2005年(平成17年)3月20日午前10時53分 【概要】 福岡県西方沖地震(ふくおかけんせいほうおきじしん)は、2005年(平成17年)3月20日午前10時53分に福岡県北西沖の玄界灘で発生した気象庁マグニチュード7.0(Mw 6.7)、最大震度6弱の地震である。 震源に近い福岡市西区の玄界島で住宅の半数が全壊する被害となったのをはじめ、同区能古島、西浦、宮浦、東区志賀島などの沿岸地区で大きな被害となった。 福岡市および志摩町・前原市(現・糸島市)と周辺市町村を中心に被害が発生した。 死者1名、負傷者約1,200名、住家全壊約140棟。福岡市付近では有史以来もっとも大きな地震。 【被害状況】 この地震最大の震度6弱を観測したのは4地点で、福岡県内では福岡市東区東浜、中央区舞鶴、前原市(現糸島市)前原西の3地点、佐賀県内ではみやき町北茂安の1地点となっている。 福岡県内の3地点は震央から約30キロであるのに対し、佐賀県みやき町は震央から60キロとやや離れている。 また、福岡県福岡地方の広い範囲と筑後地方・筑豊地方の一部、佐賀県と長崎県壱岐の一部で震度5強となった。 福岡県、佐賀県および長崎県北部と壱岐・対馬、大分県北部はほとんどが震度4以上となり、このほか熊本県、長崎県、山口県、島根県でも複数の地点で震度4を観測している。 震度5弱以上を観測した気象庁の発表地点(観測点名は発生当時) 震度6弱 福岡県 福岡東区東浜・福岡中央区舞鶴・前原市前原西 佐賀県 みやき町北茂安 震度5強 福岡県 福岡中央区大濠・福岡早良区百道浜・福岡西区今宿・大川市酒見・春日市原町・久留米市津福本町・須恵町須恵・福岡新宮町緑ヶ浜・福岡志摩町初・二丈町深江・碓井町上臼井・穂波町忠隈・久山町久原・粕屋町仲原 佐賀県 上峰町坊所・白石町有明・七山村滝川 長崎県 壱岐市芦辺町芦辺 震度5弱 福岡県 福岡博多区博多駅前・福岡城南区神松寺・福岡南区塩原・北九州八幡西区相生町・北九州戸畑区千防・中間市中間・久留米市北野町・久留米市城島町・大野城市曙町・福津市津屋崎・柳川市本町・小郡市小郡・うきは市浮羽町・直方市新町・飯塚市川島・宗像市東郷・宗像市江口・大島村大島・那珂川町西隈・志免町志免・宇美町宇美・篠栗町篠栗・遠賀町今古賀・若宮町福丸・筑穂町長尾・高田町濃施・夜須町下高場・夜須町篠隈・朝倉町宮野・大木町八町牟田・大刀洗町冨多 佐賀県 小城市芦刈・小城市牛津・小城市三日月・唐津市西城内・唐津市北波多・唐津市呼子・鳥栖市宿町・多久市北多久町・久保田町新田・諸富町諸富津・川副町鹿江・佐賀大和町尼寺・東与賀町下古賀・佐賀千代田町直鳥・佐賀神埼町神埼・三田川町吉田・三瀬村三瀬・佐賀嬉野町役場・江北町山口・佐賀北方町志久・白石町福田・白石町福富・みやき町中原 長崎県 壱岐市石田町 大分県 中津市三光