2007年7月 新潟県中越沖地震

【災害名】 新潟県中越沖地震(にいがたけんちゅうえつおきじしん) 【時期】 2007年(平成19年)7月16日10時13分23秒 【概要】 新潟県中越沖地震(にいがたけんちゅうえつおきじしん)は、2007年(平成19年)7月16日10時13分23秒 (JST) に発生した、新潟県中越地方沖を震源とする地震である。 地震の規模を示すマグニチュード (M) は6.8、最大震度は6強。中越地方では2004年(平成16年)の新潟県中越地震以来のマグニチュード6以上および震度5弱以上を観測した地震となった。 【被害状況】 死者15名、負傷者2,346名、住家全壊1,331棟、半壊5,710棟、一部破損37,633棟、建物火災1件 新潟県 死者:15名(直接死11名、災害関連死4名) 重軽傷者:2,316名 住家全壊:1,331棟 住家半壊:5,710棟 住家一部損壊:37,277棟 非住家被害:31,590棟 長野県 重軽傷者:29名 住家一部損壊:356棟 富山県 軽傷者:1名 震度5弱以上を観測した気象庁の発表地点 震度6強 新潟県 長岡市小国町法坂・柏崎市中央町・柏崎市西山町池浦・刈羽村割町新田 長野県 飯綱町芋川 震度6弱 新潟県 上越市柿崎区柿崎・越市吉川区原之町・上越市三和区井ノ口・長岡市中之島・長岡市上岩井・長岡市山古志竹沢・柏崎市高柳町岡野町・小千谷市土川・出雲崎町米田・出雲崎町川西 震度5強 新潟県 上越市大手町・上越市五智・上越市安塚区安塚・上越市浦川原区釜淵・上越市牧区柳島・上越市大潟区土底浜・上越市頸城区百間町・上越市大島区岡・長岡市千手・長岡市浦・長岡市与板町与板・長岡市小島谷・三条市新堀・小千谷市城内・十日町市高山・十日町市千歳町・十日町市松代・南魚沼市六日町・燕市分水桜町

2007年3月 能登半島地震

【災害名】 能登半島地震(のとはんとうじしん) 【時期】 2007年(平成19年)3月25日9時41分58秒 【概要】 穴水町、輪島市、七尾市で最大震度6強を観測し、石川県、富山県、新潟県で震度5弱以上の揺れを観測した。 計測震度の最大地点は輪島市門前町で、震度7(計測震度6.5以上)に近い計測震度6.4を観測した。 石川県内で震度6を観測したのは、観測開始以来初であり、1922年から2019年現在まで、県内で震度6以上を記録した唯一の地震である。 富山県で震度5を観測したのは、1930年(昭和5年)の大聖寺地震以来77年ぶり、観測史上2回目。 国土地理院のGPSの観測で、震源となった断層が右横ずれ成分を含む逆断層で、海底から陸地の一部に跨がる14km程の従来知られていなかった断層帯と判明した。 海上保安庁と産業技術総合研究所は地震発生後の海底音波探査により、この地震で動いたとみられる長さ18km以上の活断層を発見した。 【被害状況】 石川県輪島市で倒れてきた石灯籠で頭を強打した女性が死亡したほか、石川県・富山県を中心に負傷者が356人出た。 震源を中心に家屋倒壊・道路崩落や、電気・ガス・水道などのライフラインの寸断が発生し、震源地に近い沿岸部や富山県の氷見漁港などでも液状化現象が発生した。 被害統計 死者:1人 負傷者:356人 全壊家屋:686棟 半壊家屋:1,740棟 一部損壊家屋:26,958棟 震度5弱以上が観測された気象庁の発表地点 震度6強 石川県 穴水町大町・輪島市鳳至町・輪島市門前町走出・七尾市田鶴浜町 震度6弱 石川県 輪島市河井町・能登町宇出津・能登町松波・中能登町末坂・中能登町能登部下・志賀町富来領家町・志賀町香能・志賀町末吉千古 震度5強 石川県 七尾市本府中町・七尾市袖ヶ江町・珠洲市正院町 震度5弱 新潟県 刈羽村割町新田 富山県 射水市本町・射水市戸破・射水市加茂中部・小矢部市水牧・氷見市加納・舟橋村仏生寺・滑川市寺家町・富山市新桜町・富山市婦中町笹倉 石川県 珠洲市大谷町・かほく市浜北・宝達志水町子浦・羽咋市柳田町・羽咋市旭町・中能登町井田・能登町柳田

2005年12月~2006年2月 平成18年豪雪

【災害名】 平成18年豪雪(へいせい18ねんごうせつ) 【時期】 2005年(平成17年)12月から2006年(平成18年)2月にかけて 【概要】 気象庁は当初2005年(平成17年)秋ごろの寒候期予報や3か月予報などにおいて全国的に気温は平年並みか高いと予想。暖冬となる見込みであった。 しかし予想に反し2005年(平成17年)12月上旬に早くも強い寒気が流れ込んだのを皮切りにその後も次々と断続的に寒気が流れ込むようになり、急速に発達する低気圧の通過と重なり日本各地に大雪、寒波、暴風をもたらした。 【被害状況】 被害の状況として、スリップや衝突などによる交通事故、落雪による事故のほか高齢者を中心に全体の7割を占めた雪おろし中の事故(転落、心臓発作など)による死者が目立った。 雪崩による死者は2人と他の豪雪と比較して少ない。 人的被害 死者152人 重傷者902人 軽傷者1,243人 新潟県32人、秋田県22人、北海道18人、福井県14人、山形県13人など全国で合計152人の死者が出た。負傷者は合計で2,100人を超えた。 家屋被害 家屋全壊18件 家屋半壊28件 一部損壊4,667件 床上浸水12件 床下浸水101件 広島県では一部損壊の住宅が1,000件を超えたのをはじめ滋賀県、島根県、岐阜県、秋田県、京都府、新潟県などで建物への被害件数が多かった(以上消防庁のまとめによる)。 自然災害 雪崩93件 地すべり13件 土石流5件 がけ崩れ13件 (国土交通省のまとめによる) 北海道地方から北陸地方・山陰地方の山間部では多くの地域で冬(12月 - 2月)の降雪量や最深積雪が平年を上回った。 特に新潟県の山間部にある津南町では4mを超える最深積雪を記録したのをはじめ北海道、東北地方、北陸地方、群馬県、岐阜県、長野県、中国地方などの山間部や内陸部を中心として記録的な最深積雪となる所が多く12月の時点で歴代最深積雪の記録を塗り替えた地点もあった。 金沢市、福井市、鳥取市など日本海側沿岸部に位置する地域では最深積雪こそ平年並あるいは平年を上回るところが多かったものの冬期間の降雪量は平年並あるいは平年を下回るところが多かった。 12月は日本海側山間部から内陸部、沿岸部の多くの地点で降雪量が平年を大きく上回ったものの1月中旬以降は冬型の気圧配置が長続きせず高温となる時期も多くなったことや冬型の気圧配置となっても山間部中心の降雪となったため日本海側沿岸部では1月、2月の降雪量は平年を下回り、この地域では2月中旬以降は融雪も進み3月を迎える前に積雪がなくなる地点も多かった。 山間部の地域でも1月中旬以降は強い降雪のピークは超えたが、代わりに気温の変動などによる雪崩被害も増加した。 新潟市や東北地方太平洋側の仙台市や福島市でも冬の降雪量や最深積雪は平年並、あるいは平年を下回った。 この12月は平年の「寒気が南下してくる限界」よりも南に寒気が流れ込んだため九州地方、四国地方、中国地方瀬戸内側、近畿地方、東海地方など平年は雪が少ない地域でも大雪となった。

2005年8月 平成17年台風第14号

【災害名】 平成17年台風第14号(へいせい17ねんたいふうだい14ごう) 【時期】 2005年8月29日~9月8日にかけて 【概要】 この台風は、大東島地方に接近してから山陰沖へと抜けるまで、広い暴風域を維持したまま比較的遅い速度で進んだため、長時間にわたって暴風や高波、大雨が続いた。 3日から8日までの総雨量は、九州・中国・四国地方の各地で9月の月間平均雨量の2倍を上回り、宮崎県では1,000mmを超えた。 宮崎県南郷村神門では1,322mm (月間平均雨量比2.9倍) 、えびの市で1,307mm (月間平均雨量比2.8倍)、鹿児島県肝属郡肝属町肝属前田で956mm (月間平均雨量比3.2倍) に達した。 また、九州・中国・四国の各地方と北海道の62地点では、それまでの日雨量の記録を更新したほか、台風の接近・上陸に伴い各地で暴風、高波となった。 4日には南大東島で最大瞬間風速55.6m/s、6日には鹿児島県種子島で同59.2m/s、屋久島で同58.1m/sが観測された。 この台風によって、熊本県・大分県・宮崎県・鹿児島県を中心に九州~東北地方で土砂災害、大雨による浸水などが起きた。また、岡山県・広島県・香川県では高潮による床上・床下浸水も発生した。 人的被害は、宮崎県を中心に全国で死者・行方不明者29人に達した。台風が日本の南海上を移動中の3日から4日にかけ、台風から本州上に停滞する秋雨前線に向かって暖かく湿った空気が流入。 3日には鳥取県・京都府・新潟県・福島県で1時間に約60mmの非常に激しい雨が降り、鳥取県では日雨量が100mmを超えた。 4日夕方から5日未明にかけては東京都・埼玉県・神奈川県など首都圏でも、大気の状態が不安定となって雨雲が急速に発達し、東京都と埼玉県では局地的に1時間に100mmを超える猛烈な雨となった。 この期間の降水量は、東京都が設置した雨量計によるデータでは杉並区下井草で264mm、久我山で240mm、練馬区上石神井で240mmに達した。 【被害状況】 日本各地の被害状況 ※死傷者が出た被害、その他主な被害のみ記載 九州地方 宮崎市で竜巻が発生、家屋や車などを破壊。 鹿児島県垂水市でがけ崩れと鉄砲水で4人死亡。 熊本県阿蘇市の豊肥本線が倒木にぶつかりガラスにひびが入る。 宮崎県三股町で土砂崩れ、住宅が倒壊。2人死亡。 宮崎県北部の高千穂鉄道高千穂線にある五ヶ瀬川に架かる二つの鉄橋が崩落。 復旧を断念し、3年後の2008年12月で全線が廃線となった。 宮崎県椎葉村で土砂崩れ、民家3棟が全半壊。1人死亡、2人行方不明。 宮崎県高千穂町で土砂崩れ、家屋が倒壊。3人死亡、1人行方不明。 宮崎県の大淀川・五ヶ瀬川・小丸川流域で浸水が多数発生。宮崎県内の床上・床下浸水は2,253戸。 特に高岡町、宮崎市小松、延岡市での被害が大きい。 熊本県五木村築切の国道445号が数ヵ所で損壊した。 四国地方 瀬戸内海沿岸の都市では、9月6日から7日未明にかけて、高潮による被害が出た。

2005年3月 福岡県西方沖地震

【災害名】 福岡県西方沖地震(ふくおかけんせいほうおきじしん) 【時期】 2005年(平成17年)3月20日午前10時53分 【概要】 福岡県西方沖地震(ふくおかけんせいほうおきじしん)は、2005年(平成17年)3月20日午前10時53分に福岡県北西沖の玄界灘で発生した気象庁マグニチュード7.0(Mw 6.7)、最大震度6弱の地震である。 震源に近い福岡市西区の玄界島で住宅の半数が全壊する被害となったのをはじめ、同区能古島、西浦、宮浦、東区志賀島などの沿岸地区で大きな被害となった。 福岡市および志摩町・前原市(現・糸島市)と周辺市町村を中心に被害が発生した。 死者1名、負傷者約1,200名、住家全壊約140棟。福岡市付近では有史以来もっとも大きな地震。 【被害状況】 この地震最大の震度6弱を観測したのは4地点で、福岡県内では福岡市東区東浜、中央区舞鶴、前原市(現糸島市)前原西の3地点、佐賀県内ではみやき町北茂安の1地点となっている。 福岡県内の3地点は震央から約30キロであるのに対し、佐賀県みやき町は震央から60キロとやや離れている。 また、福岡県福岡地方の広い範囲と筑後地方・筑豊地方の一部、佐賀県と長崎県壱岐の一部で震度5強となった。 福岡県、佐賀県および長崎県北部と壱岐・対馬、大分県北部はほとんどが震度4以上となり、このほか熊本県、長崎県、山口県、島根県でも複数の地点で震度4を観測している。 震度5弱以上を観測した気象庁の発表地点(観測点名は発生当時) 震度6弱 福岡県 福岡東区東浜・福岡中央区舞鶴・前原市前原西 佐賀県 みやき町北茂安 震度5強 福岡県 福岡中央区大濠・福岡早良区百道浜・福岡西区今宿・大川市酒見・春日市原町・久留米市津福本町・須恵町須恵・福岡新宮町緑ヶ浜・福岡志摩町初・二丈町深江・碓井町上臼井・穂波町忠隈・久山町久原・粕屋町仲原 佐賀県 上峰町坊所・白石町有明・七山村滝川 長崎県 壱岐市芦辺町芦辺 震度5弱 福岡県 福岡博多区博多駅前・福岡城南区神松寺・福岡南区塩原・北九州八幡西区相生町・北九州戸畑区千防・中間市中間・久留米市北野町・久留米市城島町・大野城市曙町・福津市津屋崎・柳川市本町・小郡市小郡・うきは市浮羽町・直方市新町・飯塚市川島・宗像市東郷・宗像市江口・大島村大島・那珂川町西隈・志免町志免・宇美町宇美・篠栗町篠栗・遠賀町今古賀・若宮町福丸・筑穂町長尾・高田町濃施・夜須町下高場・夜須町篠隈・朝倉町宮野・大木町八町牟田・大刀洗町冨多 佐賀県 小城市芦刈・小城市牛津・小城市三日月・唐津市西城内・唐津市北波多・唐津市呼子・鳥栖市宿町・多久市北多久町・久保田町新田・諸富町諸富津・川副町鹿江・佐賀大和町尼寺・東与賀町下古賀・佐賀千代田町直鳥・佐賀神埼町神埼・三田川町吉田・三瀬村三瀬・佐賀嬉野町役場・江北町山口・佐賀北方町志久・白石町福田・白石町福富・みやき町中原 長崎県 壱岐市石田町 大分県 中津市三光

2004年10月 新潟県中越地震

【災害名】 新潟県中越地震(にいがたけんちゅうえつじしん) 【時期】 2004年(平成16年)10月23日17時56分 【概要】 新潟県北魚沼郡川口町(現・長岡市)の直下を震源として発生した逆断層型の内陸地殻内地震で、震源直上の川口町では最大震度7を観測した。 震度7を観測したのは、1995年の阪神・淡路大震災以来9年ぶり、観測史上2回目。なお、阪神・淡路大震災では気象庁などの調査によって震度が判定されたため、震度計で震度7が観測されたのは初めてである。 また、M6を越える規模の大きな余震が複数回発生するなど、余震回数が多く群発地震的様相を呈したことも特徴のひとつである。 【被害状況】 強い揺れに見舞われた小千谷市、十日町市、長岡市、見附市を中心に、全体で68名が死亡した。この内、建物の倒壊などによる直接的な死者は16人で、他の52人は避難中のストレスやエコノミークラス症候群によるものであった。 家屋の全半壊はおよそ1万7,000棟に上ったものの、建物火災の発生は9件に留まった。 「新潟県・特別豪雪地帯等における高床式住宅の特例基準」が施行された2001年10月以降の高床式住宅は比較的被害が軽微であった。一方で、山崩れや土砂崩れなどで鉄道・道路が約6,000か所で分断された。 2004年(平成16年)は7月13日に新潟県地方で大規模な水害が起こり(平成16年7月新潟・福島豪雨)、また夏から秋にかけて台風が過去最多の10個上陸するという、例年にない多雨に見舞われた年であった。 このため、もともと地滑りの発生しやすい地形であったところに降雨によって地盤が緩み、地震が発生した際に多くの土砂崩れを引き起こしたものと思われる。 震度5弱以上が観測された気象庁の発表地点 震度7 新潟県 川口町川口 震度6強 小千谷市城内・山古志村竹沢・小国町法坂 震度6弱 長岡市幸町・十日町市千歳町・栃尾市大町・越路町浦・三島町上岩井・堀之内町堀之内・広神村今泉・守門村須原・入広瀬村穴沢・川西町水口沢・新潟中里村田沢・刈羽村割町新田 震度5強 安塚町安塚・松代町松代・松之山町松之山・見附市昭和町・中之島町中之島・与板町与板・和島村小島谷・出雲崎町米田・小出町小出島・塩沢町塩沢・六日町伊勢町・新潟大和町浦佐・津南町下船渡 震度5弱 福島県 只見町只見・西会津町野沢・柳津町柳津 群馬県 片品村東小川・高崎市高松町・北橘村真壁 埼玉県 久喜市下早見 新潟県 上越市大手町・上越市木田・浦川原村釜淵・牧村柳島・柿崎町柿崎・頸城村百間町新田・吉川町原之町・三和村井ノ口・三条市西裏館・柏崎市中央町・加茂市幸町・出雲崎町川西・広神村米沢・栄町新堀・湯之谷村大沢・高柳町岡野町・西山町池浦・燕市秋葉町・弥彦村矢作・分水町地蔵堂・吉田町日之出町・巻町巻・月潟村月潟・中之口村中之口 長野県 三水村芋川 北は青森県の東津軽郡蟹田町(現・外ヶ浜町)、西は兵庫県の神戸市灘区、南は和歌山県の那賀郡打田町・粉河町(どちらも現在の紀の川市)で震度1を観測するなど、東北地方から近畿地方にかけて震度1以上の揺れを観測し、北海道の函館市でもビルの高層階では揺れを感じた。 また、防災科学技術研究所が運用している強震観測網によれば小千谷市で震度7相当(計測震度6.7)の揺れを観測した。 【特記事項】 本震の震源の深さが地下13キロで、余震も地下20キロ以下で発生し、大きな有感地震が続いた。

2004年8月 台風第16号

【災害名】 平成16年台風第16号(へいせい16ねんたいふうだい16ごう) 【時期】 2004年8月19日~8月31日にかけて 【概要】 8月19日21時にマーシャル諸島近海で発生した台風16号は、23日にサイパン島の西で猛烈な勢力となった。 27日以降、日本の南海上をゆっくりと北西に進み、29日夜には九州の南海上で進路を北寄りに変え、30日10時前、鹿児島県串木野市(現在のいちき串木野市)付近に大型で強い勢力(中心気圧950hPa)で上陸し、九州を縦断した。 17時半頃、山口県防府市付近に再上陸した後、中国地方から能登沖を、次第に速度を速めて強い勢力のまま北東に進んだ。 その後やや勢力を弱め、31日に津軽海峡を通って、12時過ぎ、北海道函館市付近に再上陸し、15時に北海道東部で温帯低気圧に変わった。 27日から31日にかけての期間降水量は、西日本の太平洋側で500mmを超え、台風上陸、接近に伴い各地で暴風となった。 また、30日夜には、台風接近と大潮期間の満潮とが重なり、高松港や宇野港などで観測開始以来最も高い潮位を観測した。 この台風は、2004年の台風では最も強く、最盛期には中心気圧910hPa、最大風速55m/s(110knot)の猛烈な勢力だった。 また、強風域や暴風域も広く、台風の中心から離れたところでも強い風が吹いた。 さらに、気圧の低下や強い風の吹きつけ、そして大潮期間の満潮が大規模な高潮被害をもたらしたと考えられる。 全国での死者は14人、行方不明者3人、負傷者269人と人的被害も大きかった。 さらに、この台風の後の台風18号により、復興作業中の九州地方や中国・四国地方でさらに被害が広まった。 【被害状況】 被害 死者: 14 名 行方不明者: 3 名 負傷者: 269 名 住家全壊: 30 棟 住家半壊: 92 棟 床上浸水: 16,840 棟 床下浸水:

2003年9月 十勝沖地震

【災害名】 十勝沖地震(とかちおきじしん) 【時期】 2003年(平成15年)9月26日午前4時50分07秒(日本時間) 【概要】 震源:北海道襟裳岬東南東沖80km 北緯41度46.7分、東経144度4.7分、深さ45km。 ※震源は1952年の巨大地震とほぼ同じ 地震の規模:Mj8.0、Mw8.0(気象庁)、Mw8.3(アメリカ地質調査所) 気象庁はこの地震を平成15年(2003年)十勝沖地震と命名した。 この地震の震源付近では1952年3月4日にM8.2の十勝沖地震が発生している。 そのため、2003年の地震を「平成十勝沖地震」として区別することもある。 【被害状況】 北海道から東北地方の太平洋沿岸に津波が襲来し、最高で2m55cm(北海道豊頃町・大津で記録)に達した。 十勝川などでは、津波が川を10km以上も逆流する現象も発生した。 北海道では豊頃町の十勝川河口でサケ釣りをしていた釣り人の男性2名が津波にさらわれ行方不明となり、うち1名の遺体が2005年4月に発見された。この死者・行方不明者の他にこの地震による犠牲者はいない。 北海道を中心に負傷者849人、住宅の全壊116棟、半壊368棟、一部破損1,580棟、床下浸水9棟の被害が出た。 各地の震度 震度6弱 北海道 新冠町 静内町 浦河町 鹿追町 幕別町 豊頃町 忠類村 釧路町 厚岸町 震度5強 北海道 厚真町 足寄町 帯広市 本別町 更別村 広尾町

2003年7月 宮城県北部地震

【災害名】 宮城県北部地震(みやぎけんほくぶじしん) 【時期】 2003年7月26日0時13分(前震) 2003年7月26日7時13分(本震) 【概要】 2003年(平成15年)7月26日、宮城県北部(鳴瀬町、矢本町、河南町周辺)を震源として連続的に発生した地震で、最大震度6弱を超える地震が1日の内に3回発生した。『宮城県連続地震』とも呼ばれている。 この地震の特徴は、本震と思われた強い前震の後に、さらに強い揺れの本震が発生したことである。 【被害状況】 被害は、負傷者677人、住宅全壊1,276棟、半壊3,809棟、一部破損10,976棟。これらの被害の多くは本震によるもので、死者が出なかったのは前震で警戒感が高まっていたからだとも推測されている。 震源は「旭山撓曲」とよばれる推定活断層の直下にあり、この断層が活動したのではないかと地表踏査が行われたが、地表の震源断層は確認されなかった。 旭山撓曲は、文部科学省が実施している活断層調査の調査対象(98断層帯)には含まれていなかった。しかしその後の調査の結果、別の活断層が旭山撓曲の東側で発見され「須江断層」と命名された。 この断層は現在より2000万年以上前に形成された断層であり、それが再活動したと考えられている。須江断層を地下へ延長すると、この地震の震源に重なることから、この断層が震源である可能性が高い。 なお、2005年4月の自治体合併で鳴瀬町と矢本町は東松島市となり、河南町は石巻市の一部となったほか、2006年の地域名称変更により、現在の地域名称では震源地は宮城県中部である。 0時13分の地震、各地の震度 震度6弱 宮城県 矢本町 鳴瀬町 震度5強 宮城県 鹿島台町 南郷町 震度5弱 宮城県 石巻市 大郷町 松山町 涌谷町 田尻町 河南町 震度4 岩手県 室根村 7時13分の地震、各地の震度 震度6強 宮城県

2001年3月 芸予地震

【災害名】 芸予地震(げいよじしん) 【時期】 2001年(平成13年)3月24日 15時27分54秒 【概要】 2001年(平成13年)3月24日 15時27分54.5秒(日本標準時)に発生した地震の震源は上蒲刈島の南。マグニチュードは、気象庁マグニチュードでMj 6.7、モーメントマグニチュード(Mw) 6.8。 震源の深さは51km。最大震度は6弱。被害総額約193億円。 中国地方においては2000年10月に起きた鳥取県西部地震(Mj7.3、Mw6.6)から5ヶ月ぶり、瀬戸内海に面した地域としては1995年の兵庫県南部地震(Mj7.3、Mw6.9)から6年ぶりとなる被害地震となった。 これらと比べて芸予地震は規模としては同等であったが、これらが震源深さ20km前後の直下型地震だったのに対し芸予地震は更に深部でのスラブ内地震であった。 【被害状況】 この地震で1人が広島県呉市で隣家の崩れたブロック塀壁の下敷きとなり、1人が愛媛県北条市(現松山市)で落下してきた自宅ベランダの下敷きになって死亡した。 負傷者の特徴として、家屋内での落下物によるものと、店舗・工場内での火傷によるものが多かった。 また高齢者を中心に避難途中での瓦礫による負傷者が続出した。 震度5弱以上が観測された気象庁の発表地点 震度6弱 広島県 広島河内町中河内・広島大崎町中野・熊野町役場 震度5強 広島県 広島千代田町有田・三原市円一町・豊栄町鍛冶屋・本郷町本郷・安芸津町三津・安浦町内海・川尻町西・広島豊浜町豊島・豊町大長・久井町和草・向島町役場・広島西区己斐・広島安佐南区緑井・広島安佐北区可部南・呉市広・呉市宝町・廿日市市下平良・府中町大通り・海田町上市・音戸町鰯浜・倉橋町役場・下蒲刈町下島・能美町中町・沖美町三吉・大柿町大原・黒瀬町丸山 山口県 阿東町徳佐・岩国市今津・柳井市南町・久賀町久賀・山口大島町小松・山口東和町森・橘町西安下庄・和木町和木・大畠町大畠・田布施町下田布施2・平生町平生 愛媛県 今治市南宝来町・丹原町鞍瀬丁・丹原町池田・波方町樋口・大西町宮脇・菊間町浜・吉海町八幡・弓削町下弓削・生名村役場・岩城村役場・愛媛上浦町井口・大三島町宮浦・松山市北持田町・久万町久万町・愛媛松前町筒井・砥部町宮内・三瓶町朝立・宇和町卯之町・愛媛吉田町東小路 震度5弱 島根県 羽須美村下口羽・桜江町川戸・島根三隅町三隅 広島県 豊平町都志見・広島吉田町吉田・広島八千代町佐々井・甲山町西上原・世羅西町小国・吉舎町吉舎・三良坂町三良坂・尾道市久保・福山市松永町・広島福富町久芳・東野町役場・瀬戸田町瀬戸田・御調町市・広島内海町口・新市町新市・広島中区大手町・広島中区上八丁堀・広島南区宇品海岸・広島安芸区中野・坂町役場・呉市焼山・倉橋町鳶ヶ巣・蒲刈町宮盛・広島大和町下徳良・宮島町役場・広島佐伯町津田・木江町木江・江田島町役場 山口県 徳山市岐山通り・下松市大手町・光市中央・由宇町役場・玖珂町役場・周東町下久原・山口美和町生見・上関町長島・田布施町下田布施・山口大和町岩田・小郡町下郷 愛媛県 新居浜市一宮町・西条市新田・小松町新屋敷・朝倉村朝倉北・愛媛玉川町三反地・宮窪町宮窪・関前村岡村・重信町見奈良・愛媛中島町大浦・中山町出渕・宇和島市住吉町・大洲市大洲・五十崎町平岡・保内町宮内・伊方町湊浦・明浜町高山・野村町阿下・愛媛三間町宮野下